ひと昔前の麻雀と言えば、『煙草の煙がモクモクの雀荘で夜な夜なギャンブラー達がしのぎを削りひりつく世界』のようなイメージがありましたが、最近では『健康麻雀』と銘打ち、年配の方々が手先と頭を使った楽しい娯楽として大変人気があります。
今回紹介する『桜井章一さん』は、まさにひと昔前のいわゆる『The 麻雀』の時代に雀鬼と呼ばれた20年間無敗の伝説の勝負師であります。
そんな桜井章一さんが書かれた著書『運に選ばれる生き方』を読みましたのでの、レビュー記事を書いて参りたいと思います。
それではご覧ください!
桜井章一さんの経歴
桜井章一さんは東京都世田谷区下北沢の出身です。
1943年8月4日生まれの2023年4月現在は79歳。
大学生の頃に麻雀を始め、みるみる腕を上達させていきます。
その腕を買われた桜井さんは麻雀の代打ちとして『裏プロ』デビューを果たし、以後20年間引退するまで無敗を誇り『雀鬼』としての異名を手に入れたのです。
その後は、作家として自己啓発や麻雀に関する数多くの書籍の出版を手掛けています。
他には雀荘の経営を行っていましたが、2019年12月に麻雀賭博の容疑で逮捕されているようです。
また麻雀の競技団体として『雀鬼会』を設立し、桜井さん独自の雀鬼流麻雀理論の勉強会を定期的に開催しております。
雀鬼流の特徴として、『牌を切る際の音』によって相手の心理や強弱、手配の状況などを読み取る技術とされています。
他にも、『仕草・表情・話し方』に至る全ての行動を分析し有利に進めていくことを提唱しています。
運に選ばれる生き方
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こちらの書籍は全三章から構成されています。
それでは早速書籍について解説していきたいと思います。
第一章『なぜか運に恵まれる人の考え方』
私PATAは、自他共に認める『ツイてない』男なんですが、この第一章に書かれていることは目から鱗と言いますか、わりと衝撃的な話からスタートします。
『運の量は無限である』
なるほど…
めちゃくちゃにツイていた場合によく口にする言葉として、「一生分の運を使い果たした!」などと表現することがよくありますが、言われてみれば「確かにな!」と納得の一言です。
そして、そのツキや運は『円』の上を回っているんだとする考え方。
これは非常に面白い感覚です。
読んでいて「正にそれ!」と感じた部分は、我々凡人は人生を直線で考えていたんですね。
直線で考えたときに『ツイている』瞬間が通り過ぎてしまった場合、次の『ツイている』瞬間が遥か彼方へと行ってしまい、『運の尽き』を感じて絶望するって流れです。
桜井さんが言っている『円』で考えると、ぐるぐるとツキが回っているだけなので、仮に通り過ぎたとしても、またくるくる回り自分の元へツキが帰ってくるってことなんですね。
『直線』と『円』では一本道か球体の差しかないので結果としてはどちらも同じではありますが、感覚としての楽観度合いで言うと間違いなく『円』のほうが希望を感じてしまいます。
第二章『運を引き寄せる人の行動と習慣』
一般的なビジネスシーンや日常にも応用できる話が多く登場するこの第二章。
日常生活における家事や育児、仕事での効率性や臨機応変さなどが試されるようなエピソードが豊富です。
何かトラブルに見舞われた際にも、『基本』に忠実に物事を淡々とこなしていくことによって運を引き寄せられると書いています。
その際に重要なことは『わずかな変化を見逃さない』ってことに凝縮されていそうです。
更にわずかな変化に気付けるようにするためには、『80%で取り組み、20%の余裕を持つ』ことが極意だと書かれています。
常に身の回りや状況を俯瞰で捉えて、ごくごくわずかな違和感を察知し手繰り寄せた潮目の変化を逃さない、まさにプロの雀士ならではの奥義ですね。
なかでも面白い表現をされていたのは『間に合う』についてです。
『間』とはいわゆるタイミングのことで、運をものにするためには『間抜け』ではダメなんだと記載されています。
『間に合う』デキる人の特徴に掲げられているのが『準備・実行・後始末』の三点です。
日々の習慣や行動に裏付けされた結果しか得ることはできないと言うわけですね。
第三章『「流れ」をつかみ、運に乗る極意』
第三章では『不調こそ我が実力』からスタートします。
やれそうとは思いつつもなかなかできないのが人間のサガであって、過去の栄光ではありませんが、良かった頃の自分の力こそが本来の姿だと思ってしまいがちです。
そして、「こんなはずではなかった…」とドツボにはまってしまう典型的な失敗例。
言うのは簡単ですが、これって本当にできないんですよね。
自分や他人に期待をするからダメと経験上わかっているはずなのに、繰り返してしまう愚かな凡人です…
お次も耳が痛い典型ですが、『怒りは運を遠ざける』です。
本当に心穏やかに過ごしたいのはやまやまなんですが、いかんせん怒りん坊な私PATA。
『怒りをエネルギーに変えるエンジン』を間違って積んでしまっているような気がします…
一時流行っていました『アンガーマネジメント』ですね。
怒ったらまずは深呼吸を5秒間行って心を平常心にする訓練が今こそ必要かもしれません。
他にも、『悪運を捨てよ』、『感激力・感動力・感謝力』、『考えれば迷う』などの素晴らしい教えが満載です。
行くところまで辿り着いたレジェンドの方々は須らく、『常識人』であり『礼節を重んじる』部分があり『謙虚』な印象ですね。
クレクレくんのように際限なしの欲望ばかりでは、運に選ばれることはできないのでしょう。
おすすめ麻雀マンガ
本編からは若干脱線してしまいますが、おすすめの麻雀マンガを紹介しておきます!
紹介するなんておこがましいぐらい有名なんですけどね…
哲也 ~ 雀聖と呼ばれた男 ~
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まずはこちら『哲也 ~ 雀聖と呼ばれた男 ~』です。
数多の癖のあり過ぎる『玄人(バイニン)』と熾烈な麻雀勝負を繰り広げる作品です。
感覚としては、コント『こんな麻雀は嫌だ!』みたいなノリですかねww
有り得ない設定や積み込み技がガンガン登場するので、そこも注目ポイントです!
個人的には主人公哲也の師匠にあたる『房州さん』の煙草が世界で一番臭そうで美味そうです!
未読の方はぜひお読みください!
アカギ
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言わずと知れた麻雀マンガの最高峰『アカギ』です。
とにかく心理描写を描くことで知られる福本先生の真骨頂が味わえるマンガです。
特筆すべきは、『鷲巣編』。
このシリーズが完結するまでにおよそ20年間が費やされています。
現実世界で考えると半荘なら何試合やれるんだろう…
それぐらい読みごたえと人気があるってことですね!
ナイスざわざわ!!
まとめ
読了後の感想としては、『よくある自己啓発本と似たような内容だな』が率直な意見でした。
しかし、こちらの記事を書くにあたり再度読み直してみたところ、一度目より二度目のほうがより深く腹落ちすることができました。
著者の桜井さんが実際に修羅場を潜り抜けてきたことでの含蓄のある言葉の数々。
非常に勉強になりました!
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『行動してこその成果』が大前提ではありますが、運を味方に付けて悪いことは全くありません。
日々の思考や言動行動に注意して、スーパーPATAを目指して参りたいと思います。
それでは、最後までお付き合いありがとうございました!!
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