1973年に安部公房が発表した作品がこの度映画化されることになりました。
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その名も映画『箱男 The Box Man』!!
原作の奇抜すぎるぶっ飛んだ世界観があまりにも衝撃的だったため、強烈に印象深く残っている作品です。
早速映画館へ足を運びチェックして参りました。
それでは、ご覧ください!
キャスト紹介
映画『箱男』
【配給】ハピネットファントム・スタジオ
【上映時間】120分
【映倫区分】PG12
【公開日】2024年8月23日
【オフィシャルサイト】映画『箱男』公式サイト
【監督】石井岳龍
【原作】安部公房
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【脚本】いながききよたか
わたし/永瀬正敏
ニセ医者/浅野忠信
葉子/白本彩奈
軍医/佐藤浩市
?/渋川清彦
?/中村優子
?/川瀬陽太
あらすじ
『箱男』 ――それは人間が望む最終形態。ヒーローか、アンチヒーローか完全な孤立、完全な孤独を得て、社会の螺旋から外れた「本物」の存在。
ダンボールを頭からすっぽりと被り、街中に存在し、一方的に世界を覗き見る『箱男』。
カメラマンである“わたし”(永瀬正敏)は、偶然目にした箱男に心を奪われ、自らもダンボールをかぶり、遂に箱男としての一歩を踏み出すことに。
しかし、本物の『箱男』になる道は険しく、数々の試練と危険が襲いかかる。
存在を乗っ取ろうとするニセ箱男(浅野忠信)、完全犯罪に利用しようと企む軍医(佐藤浩市)、 “わたし”を誘惑する謎の女・葉子(白本彩奈)……。
果たして“わたし”は本物の『箱男』になれるのか。
そして、犯罪を目論むニセモノたちとの戦いの行方はー!?小さな箱の中で王国を作り、守られた状態で世界を一方的に覗く姿は、不確実性の中で揺らぎながら、小さな端末を手に持ち、匿名の存在としてSNSで一方的に他者を眼差し、時に攻撃さえもする現代の私たちと「無関係」と言えるだろうか…。
そして最も驚くのは、著書が発表された50年前に安部公房はすでに現代社会を予見していたということだ。引用元:映画『箱男』公式サイト
こんな感じのストーリーでございます。
原作が約50年前の1973年の話しなので、現在ver.としての箱男を体感できる内容になっています!
以下感想を書いていきたいと思います。
再現度は高いのか?
原作がそもそも狂った世界観だったので、これをどこまで再現出来ているのか?
ここが僕としては今回の映画化において重要なポイントだったかもしれません。
結果から言うと、『ナイスクレイジー!』だったと思います。
正直なところ、原作が狂っていて面白かったって印象はあるものの、内容の詳細に関してはかなりおぼろげになっているので曖昧ではありますが、映画単体で考えると絶妙なさじ加減でニセ医者を筆頭にどんどんおかしくなっていく様は、上手く成功していたのではないでしょうか。
「そうそう!この意味の分からない感じこそが雰囲気を醸し出してる!」みたいな気分にさせてくれました。
やっぱり、浅野忠信さんって演技上手いんだな!と再認識。
なんとなく、滑舌が終わったヒゲの人ぐらいに思っていた自分を情けなく思ってしまいました…
葉子が妖艶で気になりすぎる
映画『箱男』の中で唯一名前が存在する葉子役を演じた『白本彩奈さん』。
彼女の簡単な情報としては、2002年生まれのベラルーシと日本のハーフであり、日常会話程度の英語やロシア語も話せる女優さんです。
ワイドナショーにも学生時代に出演されていましたね。
ちなみに今回の葉子役は、オーディションから勝ち上がりゲットされたとのこと。
この白本さんがまぁ良いお芝居を見せてくれています!
妖艶、優しさ、色気、狂気と様々な表情を見せてくれており、映画の中の『わたし』、『ニセ医者』、『軍医』、そして映画を鑑賞している僕自身も何故か彼女を好きになってしまう不思議な魅力を持っている葉子を見事演じていらっしゃいます。
確か原作でも、『わたし』が病院の中を覗いているシーンでなんとも言えない感情になったのを思い出してしまいました。
若くて美人でお芝居も出来る!
これからの活躍が気になる女優さんです!
ちょっと気になるところ
映画としては、内容が内容なだけに解釈の仕方や受け止め方は千差万別で『面白い』と感じる人や『意味が分からない』と感じる人もいらっしゃる系の作品なのでそこは一旦置いといて、そことは切り離して考えても「それはどうなの?」と個人的に気になったところをいくつか紹介しておきます。
- 『わたし』の前半の奇抜なメイク
- 『わたし』がお札の匂いを嗅ぐ
- 大オチのオンエアバトル的な『あなた達です!』
この3点でしょうか。
いるかこれ?感がめちゃくちゃ強くて個人的にはなんか嫌でしたかね。
逆にストレスでもあり凄いなと思った部分も一つだけ。
終わりそうでなかなか終わらない足踏み具合!!
これってストレスではあるんですが、安部公房っぽさとでも言いましょうか。
なんか妙にウジウジして煮え切らないなと思わせる独特のあの感じです。
嫌なんだけど凄いなと!
120分の間に何度も腕時計に目をやってしまうんだけど、それ込みでの安部公房だよなと。
まとめ
結果的に面白いのか面白くないのかと聞かれると非常に悩んでしまう映画『箱男』ではありましたが、独特の中毒性を感じる作品でした。
今一番やりたいことは、原作を読む!
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そして、もう一回映画『箱男』を観直す!
答え合わせというか、あの感じがこうなってるのかを今一度確認したくなる作品です。
それでは、最後までお付き合い有難うございました!!
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