2022年12月10日(土)に行われました女芸人No.1を決める大会『THE W 2022』が終了いたしました。
また新たなスターが誕生しました。
興奮冷めやらぬ中、早速、各出場者のネタを振り返っていきたいと思います。
それではご覧ください!
Aブロック
『THE W』の戦い方は、得点で競う採点方式ではなく、A・B・Cブロック内での勝ち抜き方式です。
審査員6名+視聴者票1票の7票での得票数対決です。
ちなみに審査員の顔ぶれはこちらです。
麒麟 川島 明
アンガールズ 田中 卓志
ドランクドラゴン 塚地 武雅
笑い飯 哲夫
友近
マヂカルラブリー 野田 クリスタル
Aブロックの出場者は、
『TEAM BANANA』
『ヨネダ2000』
『さとなかほがらか』
『Aマッソ』
TEAM BANANA
トップバッターは『TEAM BANANA』からスタートです。
漫才での勝負。
いつも通り、ちょっと意地悪な角度からの内容。
剛力彩芽さんやオール巨人師匠のイジリも抜群で安定の面白さです。
『私事』を付ければという切り口は非常に面白く良いネタだなーと感心。
しかし、オチ前の畳みかけ具合が弱く、笑いが単発の細切れになりもったいないかなという印象。
そして、ベテラン師匠のような綺麗すぎるオチ。
賞レース仕様の漫才としてはやや物足りない感は否めず…
Aブロック暫定勝者
ヨネダ2000
昨年同様漫才での挑戦だと勝手に決め込んでいたのですが、M-1の決勝にも進出していることもあるのかコントでの勝負。
出だしから『ヨネダ全開』です。
19時~の生放送に颯爽と現れるう〇こ。
笑わない人いないでしょ?
さすがの掴みです。
また、茶色の全身タイツを纏った愛ちゃんのお腹の具合が、う〇ことのシルエットの親和性が高過ぎて最高です。
やさぐれてからの松山千春のBGMのセンスも哀愁たっぷりでナイスでした。
愛ちゃんの表情の面白さもさることながら、一言も発せずに起こす笑いが効率の良さを感じます。
ネタとしては段取り事が多いので、失敗するとグダグダになりかねない危険性もはらんでいたもののスムーズに展開していたように感じます。
個人的にはもうひと展開欲しかったかなー。
3ー4で『ヨネダ2000』勝ち残り
さとなかほがらか
一人芝居でのコントです。
カスタマセンターの電話でのクレーム対応って設定です。
非常に芝居が上手く違和感なく見ていられます。
「そんなこともあるんだろうなー」と思えるクレームに対して、電話での保留音で心の声をのせる面白さです。
個人的な意見としては、面白いんだけどパソコンを叩いてリズムを取る音が大きくてやや不快…
もっと言うと、ネタ部分は変えずとも笑いやすいメロディを発明したらもっとウケるんじゃないかなーと。
やや展開が乏しく単調に感じてしまったかも。
7-0で『ヨネダ2000』勝ち残り
Aマッソ
個人的に女版ジャルジャルといった印象の尖り具合でお馴染みのAマッソです。
『尖り』と『わかりやすい』を合わせたベストなネタのチョイスだったと思います。
設定自体が大ボケになっているので、ボケているわけではない会話なのに面白く見ていられます。
ややダレてきたなと感じたところで、履歴書を渡す件。
緩急があり、奇妙な大きい動きに笑いが起こる。
さすがに上手いです!
そして、後半は動きを織り交ぜての大オチ。
これまた見事な展開で、非常に気持ちのいい終わり方でした。
PATA的にはAマッソが勝ってたかなー。
4-3で『ヨネダ2000』Aブロック勝ち残り
Bブロック
Bブロックの出場者は、
『天才ピアニスト』
『爛々』
『スパイク』
『フタリシズカかりこる』
天才ピアニスト
今回一番期待していたコンビです。
設定は路上で喧嘩するカップルをつまみに酒を飲むおばちゃん。
斬新だけど飛び過ぎていない良い設定です。
上記の設定を理解させるまでの1分弱ほど笑いは起こらず、見ている側が「あぁーなるほど!」と思った絶妙なタイミングでの最初のツッコミ。
これが200点ぐらいのドンピシャの最高の間でした。
そこからは、一挙手一投足全て外すことなく完璧にウケ続けています。
芝居もワードも動きも間も展開も、全てが最高だったと思います。
めちゃくちゃ面白かった!
Bブロック暫定勝者
爛々
初めて『爛々』の漫才を見ました。
気合が入っているのが伝わって、若干緊張しているのかな?といった印象。
声はめちゃくちゃ出ていたけど、ツッコミの温度感がボケにあっていない感は否めませんでした。
グラデーションで徐々にトップギアにする方が客を巻き込んで笑いを起こせたかなーと。
また、ボケの『チョメ』の部分をネタの掴みにしてもっとパッケージ化するとウケたはずなのでもったいない…
ネタよりも終わった後の平場のほうがウケていたかもしれません。
喋りはめちゃくちゃ達者なので、東京に慣れていけばもっとウケてくると思います。
7ー0で『天才ピアニスト』勝ち残り
スパイク
御姫様が居酒屋でバイトするトリッキーな設定です。
憑依型のボケで芝居も上手く心地よく見ていられます。
しかし、その設定のみでのゴリ押しなので息切れ感はどうしても感じてしまう…
ボケというボケが粒立たず、大爆笑には繋がらない雰囲気です。
ツッコミのワードセンスで笑いを狙いに行くか、ツッコミもボケ同様にキャラクターへ入りダブルボケでのコントにするかをしないと、毎回あの感じになってしまう気がします。
面白いことをしそうなまま、波風がたたず終わっているのでもったいない印象です。
7ー0で『天才ピアニスト』勝ち残り
フタリシズカかりこる
実際に世の中では似たようなことが起こっているのでは?と思わせてくれる良い設定の一人コントです。
声色のみをボケとして使っているので、火種がくすぶっているうちに終わってしまった印象です。
一人コントで大きく笑いを起こすのはなかなか至難の業と思いしらされる内容でした。
ボケの精度を高めて大きい笑いどころを作っていけばまだまだありそうなネタだと思います。
ストーリーとしては展開もありわかりやすかったですね。
おつかりこる!!
7ー0で『天才ピアニスト』Bブロック勝ち残り
Cブロック
Cブロックの出場者は、
『河邑ミク』
『エルフ』
『紅しょうが』
『にぼしいわし』
河邑ミク
一発目の笑いまでの引っ張り方にハートの強さを感じます。
あれは相当勇気がいります。
ネタ自体も渾身の変顔のみで戦うストロングスタイル。
可愛い女芸人としても有名なので、それを上手く利用したネタです。
が、やはりこの手のネタは美人がやるよりもオモシロフェイスの芸人がやったほうが間違いなくウケると思います。
パターンが少なく変化に乏しくなってしまうので、笑いが大きくなっていきづらいかなと。
Cブロック暫定勝者
エルフ
最近東京進出を果たし、テレビでもチラホラ目にすることが増えている『エルフ』です。
ネタの掴みが最高でした。
見ている人全員が、嫌なストレスを少しづつ感じていた絶妙なタイミングでの荒川さんの『気付き』。
あれは見ている人全員が気持ち良かったはずです。
そこからは、明るく真面目なギャルの奮闘劇です。
見ていてホッコリするネタでした。
優勝うんぬんではない『素敵な劇』を見た感覚です。
0-7で『エルフ』勝ち残り
紅しょうが
今大会で一番びっくりしたのがこの紅しょうがのネタでした。
「まさかのコント!?」
漫才の印象が強かったので不安でしたが、非常に面白く展開もバッチリ。
ツッコミのイメージが強い稲田さんが大ボケで、熊元さんがまさかのツッコミに回っていましたね。
ボケツッコミが入れ替わるまでの前半が壮大なフリで、中盤に入れ替わり、終盤ではもはやどっちもボケのような感じ。
非常に面白く新鮮なネタでした。
0-7で『紅しょうが』勝ち残り
にぼしいわし
初めてネタを見ると勝手に思い込んでいましたが、決勝進出は二度目のようです。
完全に忘れていました…
達者な漫才を披露してくれています。
『攻めた水族館』って設定も面白いですね。
ただ気になったのは、声は出ているのに時折何を言っているかわからずに進んでしまう点です。
滑舌が悪いわけではないと思うのですが、ウケるはずのワードがごっそりわからないまま進んでいった印象です。
私PATAの耳が悪いのか?とも思いましたが、ウケ具合を見ても客の感じとしては似たような雰囲気。
何が悪いのかはわかりませんが、そこが残念ポイントでした…
0-7で『紅しょうが』Cブロック勝ち残り
決勝戦
各ブロックを勝ち残り、決勝に駒を進めたのは、
『ヨネダ2000』
『天才ピアニスト』
『紅しょうが』
紅しょうが
一本目同様コントで勝負するもんだと思っていたら、そこはやはり漫才師。
最後の大勝負は漫才で挑みます。
一本目同様、ツッコミの稲田さんも強めにボケる漫才を披露。
オチに向かって盛り上がる過程で、声を張りすぎているせいか何を言っているかわかりづらく、やや置いてけぼり感が残ったまま終わってしまいました。
正直な感想としては、コントのほうが面白いかも…
漫才師としての誇りやプライドはめちゃくちゃカッコイイんですけどね!
天才ピアニスト
夫婦喧嘩をするとVRの世界へ逃げてしまう面倒なお母さん。
ハイブリッドなネタに令和を感じます。
一貫して言えることは、ツッコミが抜群に上手いのとボケの芝居が上手い。
これに全てが凝縮されています。
個人的には1本目ほどの感動はありませんでしたが、これは総合力で行ったなという感触です。
ヨネダ2000
二本目も『ヨネダ節』満載のふざけたぶっ飛んだネタです。
「大きいモヒカンが面白い!」ってどこかのタイミングで気付いてしまったんでしょうね。
面白いけどどのネタも同じっぽく感じてしまうので、好みに分かれるかなといった印象。
最後は二人で笑顔のパラパラ終了。
小学生が大人になった感じですね。
チャンピオン決定
そして、遂にチャンピオンが決定します。
2022年度の女芸人No.1は、
天才ピアニスト
に決定しました!!
まとめ
コント、漫才、ピンネタと審査する側も和洋折衷で難しい『THE W』。
その中でも今回はコント師の『天才ピアニスト』が栄光をつかみ取りました。
本当におめでとうございます!!
『天才ピアニスト』これからの活躍に期待ですね。
来年のキングオブコントでも活躍してくれるのではないでしょうか?
それでは最後までお付き合いありがとうございました!!
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