日本が誇る超絶演技派俳優『役所広司』。
そんな役所広司さんのお芝居の魅力が最大限に詰まった、おすすめの映画作品を5つご紹介して参りたいと思います。
コミカルな役柄からシリアスな役柄までを楽しめるラインナップになっています。
どれもハズレなしの作品になりますのでぜひともご覧ください。
それでは、行ってみましょう!
笑の大学
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【映画】笑の大学
【公開】2004年
【配給】東宝
【上映時間】121分
【監督】星護
【原作】三谷幸喜
あらすじ
昭和15年、演劇の台本には規制がかけられている。
上演するためには台本を事前に検閲にかけて許可を受ける必要性があった。
劇団『笑の大學』の座付き作家をつとめる椿一(稲垣吾郎)が検閲に持ち込んだ台本を検閲するのは向坂睦男(役所広司)。
人生で一度も笑ったことがなく、ましてや人を笑わせる必要性がないと言い切る向坂。
『御国のために』と戦っている人間がいる中、喜劇のような娯楽は禁止にしてしまえばいいとさえ感じている。
そんな向坂から出される無理難題に近い台本への修正依頼に真っ向から対峙する椿。
来る日も来る日も取調室へと修正した台本を持ち込み検閲へと挑む。
舞台の公演日が近付く中、上演許可はおりるのか…
脚本と演技力
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元々は舞台作品として上演されていた『笑の大学』。
映像化は難しいという前評判の元、今作が誕生したそうです。
私PATA自身としては舞台ver.は観ていないのですが、この映画の凄さだけはヒシヒシと感じております!
特筆すべきは、121分という映画全体の9割9分を『役所広司さん』と『稲垣吾郎さん』の掛け合いのみで仕上げている点です。
2人が居る場所はひたすら取調室。
変わり映えするわけでもなく、ワンシチュエーションかつずーっと2人っきりでの会話劇なんですね。
検閲した台本を修正させる → 修正版から更に修正させる
を、ひたすら繰り返すだけなのに面白い!!
三谷幸喜さんの手腕がブンブンに振り回されているって感じです。
さらにそこへ来て役所広司さんの演技力!
怒ってみてり、笑ってみたり、考えてみたり、寄り添ってみたり、突き放してみたりと『これぞお芝居!!』をまざまざと魅せつけられる熱演に次ぐ熱演。
他にも三谷幸喜さんの代名詞である『古畑任三郎』でのタッグでお馴染み『本間勇輔さん』が音楽を担当されており、これまた、昭和の色どりに華を添えてくれています。
最後には役所広司さんと稲垣吾郎さんの友情。
これもグッと来てたまんないポイントの1つです。
約20年以上前の映画ですが観ていない方はぜひともご覧ください!!
ドッペルゲンガー
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【映画】ドッペルゲンガー
【公開】2003年
【配給】アミューズピクチャーズ
【上映時間】107分
【監督】黒沢清
【脚本】黒沢清・古沢健
あらすじ
早崎道夫(役所広司)は介護用ロボットの研究に没頭する日々を過ごしている。
そんなある日、同僚の高野(佐藤仁美)から妙な話を聞く。
高野の友人 永井由香(永作博美)は「弟のドッペルゲンガーを見てしまったことにより、弟が自殺してしまった」と話していた。
興味がない早崎は話を早々に切り上げてしまう。
その日の夜、早崎の目の前に早崎にそっくりな男が現れる。
一度現れた早崎にそっくりな男はその後も頻繁に早崎本人の目の前に姿を現すようになる。
早崎は会社からの研究に対する期待が重荷となりプレッシャーへと変わり、上手く成果が出せない状態へ陥る。
それに加えて、目の前に現れた自身のドッペルゲンガーに頭を悩ませていた。
そんな状態を見かねた早崎のドッペルゲンガーが本人の知らぬところで、早崎自身が持つ潜在的な思いを実行していくことになる。
早崎や永井の回りでは、予期せぬことが次々と起こり始める。
一人二役の極み
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ネガティブな入りになってしまいますが、映画『ドッペルゲンガー』は驚くほどに評価されていません…
しかし、侮ってはいけません!
役所広司さん半端じゃありません!!
『主人公である早崎役』と『早崎のドッペルゲンガー役』との一人二役を演じていらっしゃいます。
映画のポイントでもあるのですが、この二人の性格は真逆。
『職人気質で真面目で頑固な早崎』と『ガサツで軽薄だけど可愛げのある早崎』を完璧に表現されています。
口調や話し方、態度に至る全ての部分を異なった形で演じ分けるその演技力たるや圧巻の一言。
また、監督の見せ方も面白く、一画面上を分割にした状態で二人に会話をさせる試みなどもあり、映像としても非常に面白い工夫を感じます。
相反する性格の2人が妙な結束力で互いの得意分野を補っていくのですが、映画終盤では認めることのできない元祖早崎が、遂にドッペル早崎を殺してしまいます。
この辺りから映画自体のシナリオも怒涛の展開をみせていき、永作博美さん、ユースケ・サンタマリアさん、柄本明さん等を含めてドンドンと面白くなっていくわけです。
お金に目の眩んだ柄本明さん演じる『村上』が衝撃的なラストを迎えるのも注目ポイント!
あの人もまた、演技力バケモノ俳優です。
そして、永作博美さんの可愛らしさもバケモノ級です。
ぜひご覧ください!!
孤狼の血
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【映画】孤狼の血
【公開】2018年
【配給】東映
【上映時間】126分
【監督】白石和彌
【原作】柚月裕子
【脚本】池上純哉
あらすじ
昭和63年広島県呉原市にある呉原東署にマル暴の刑事 大上(役所広司)がいた。
彼のもとに広島県警本部より配属された新米刑事 日岡(松坂桃李)は部下に任命される。
呉原市では、加古村組と尾谷組の対立の火種がくすぶり始めていた。
加古村組のフロント企業にあたる呉原金融の上早が行方不明になっており、その事件の捜査を大上と日岡は担当することになる。
日岡は大上が行う捜査方法に釈然としない怒りを感じていた。
窃盗、暴力、放火、拷問、賄賂などの犯罪行為を駆使し、暴力団との駆け引きを行っていた。
日岡は広島県警から送り込まれた大上の悪事を暴くためのスパイなのである。
大上には大上なりのやり方で双方のヤクザと駆け引きを繰り返し、抗争事件にならぬように最大限の働きをしていた。
そんな中、これまでの大上の悪事が、記者の男(中村獅童)の手によって呉原東署に密告されてしまう。
事件から担当を外されてしまったことによって、大上がかけていたブレーキがきかなくなり、加古村組と尾谷組の抗争が始まる。
悪徳警察
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こちらの映画『孤狼の血』の中では、ヤクザよりもヤクザな刑事役として非常に凶暴な一面を見せてくれています。
ジェントルマンなイメージがある役所さんですが、さすがの演技力で粗暴極まりない大上を見事に演じているわけですな。
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かなり古い作品ではありますが、こちらの役所さんも負けず劣らずの外道っぷりです。
何しろ映画のタイトルからしてすでに粗暴の極みのような感じでしたね。
こちらも面白かったので、役所フリークの方には観てもらいたい作品です。
ちょっと脱線してしまいましたが、孤狼の血へと戻ります。
映画の終盤に差し掛かり、大上が姿を消したあとには様々な伏線の回収がありますが、あそこにはグッとこみ上げてくるものがあります。
松坂さん演じる日岡は本当の真実を知り、自分が踊らされていたことや大上の本当の考え方を知ることになるのですが、なんと不器用な男臭い愛情でしょうか。
大上の亡骸を前にする日岡のワンシーン。
観ていていたたまれなくなってしまいます。
ぜひみなさんも大上の本当の優しさを本編で味わってみてください!
また、孤狼の血はシリーズ化されており、映画『孤狼の血 LEVEL2』では日岡が大上の意志を受け継いだあとのストーリーを楽しむことができます。
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役所広司さんの出演はありませんが、『鈴木亮平さん』の猛烈に狂ったお芝居がみなさんを虜にさせてくれることでしょう。
すばらしき世界
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【映画】すばらしき世界
【公開】2021年
【配給】ワーナー・ブラザーズ
【上映時間】126分
【監督】西川美和
【原案】佐木隆三
【脚本】西川美和
あらすじ
三上(役所広司)は殺人による13年の刑期を終えて出所する。
暴力団に所属していたこともあり、人生のほとんどの時間を檻の中で過ごしていた。
身元引受人である弁護士庄司(橋爪功)のサポートのもと、堅気として暮らしていくことを目指す生活が始まる。
そんな中、三上自身から『母親の捜索』依頼がTV番組の制作会社のもとへと入る。
三上の経歴に興味を持ったディレクター津乃田(仲野太賀)とその上司吉澤(長澤まさみ)は、三上に密着したドキュメンタリー作品の撮影に取り掛かる。
『人を殺めた元暴力団組員の更生と母親探し』といったパッケージの面白さに惹かれてのものであった。
しかし当初の思いとは裏腹に、衝突を繰り返しつつも津乃田は三上と一緒にいるうちに彼のことを慕いサポートをするようになっていく。
他にも三上の前途を阻むかのように、生活・仕事・資格といった様々な壁や問題が立ちはだかる。
津乃田を含めた周りにいる暖かい人々の優しさに触れ、徐々に三上は変わっていく。
登場人物がすばらしい
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ヤクザの生き辛さを描いた作品です。
若干脱線してしまうのですが、同じようなテーマではあるものの、アプローチの違う作品として、綾野剛さん主演のこちらの映画『ヤクザと家族』もおすすめなので合わせて観ていただくとより一層面白いと思います。
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映画のタイトルにもある通り、とにかくみんな『すばらしい人格者』ばかり。
とくにグッとくるのは六角精児さん演じるスーパーの店長松本です。
役所さん演じる三上のことを万引き犯だと勘違いするところから二人の関係が始まるのですが、映画全体を通して要所要所の部分で的確に三上の更生のサポートを買って出てくれるのです。
めちゃくちゃ良い人です。
それを無下にしハイパー自己中っぷりを発揮する役所さん。
芝居合戦の様相を呈しています。
映画終盤では遂に役所さんは念願の就職先を決め、すばらしき友人等から祝福されます。
その就職先でのトラブルもみんなのことを考え、グッと堪えることのできる大人に。
非常に悔しいし観ていて辛いシーンではあるのですが、素晴らしい演技を魅せつけてくれています。
そして、エンディングのあまりにも悲しすぎる別れのシーン。
観ているだけで胸が張り裂けてしまいそうになります。
うっ…津乃田…
役所さんのわがままで粗暴で自己中で愛おしいお芝居を堪能してみて欲しい作品です。
ファミリア
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【映画】ファミリア
【公開】2023年
【配給】キノフィルムズ
【上映時間】121分
【監督】成島出
【脚本】いながききよたか
あらすじ
陶器職人として一人で暮らす神谷(役所広司)。
一流企業に勤める息子の学(吉沢亮)が赴任先のアルジェリアから婚約者のナディアを連れて帰省してくる。
そんなある日の夜、隣町に住む在日ブラジル人のマルコスが半グレ集団から追われ、偶然にも神谷の家に身を潜めることに。
傷付いたマルコスを手当てし介抱するもマルコスは姿を消してしまう。
数日後、マルコスを連れた在日ブラジル人のエリカが神谷のもとを訪れる。
お礼をし神谷をパーティーに誘いだす。
多くの在日ブラジル人が住む彼等の団地でのパーティーに参加し、マルコスが持つ在日ブラジル人としての『日本人でもない、ブラジル人でもない』差別や迫害に苦しむ生き辛さを知ることに。
そんな彼等在日ブラジル人に恨みを持つ半グレ榎本(MIYAVI)。
在日ブラジル人の運転する車に榎本の幼き娘は轢かれて亡くなっていた。
榎本等からの度重なる嫌がらせや暴力に、次第にマルコスやエリカは追い詰められていく。
一方、神谷の息子学は婚約者のナディアとともにアルジェリアへと戻る。
戻った先では悲劇的な事件に巻き込まれてしまう。
優しいおじさん
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最後に紹介するのは映画『ファミリア』です。
今まで紹介してきた4作品とは異なる、穏やかで寡黙な役所広司さんを楽しむことができる作品です。
映画自体は、あらすじの通りめちゃくちゃに内容が詰め込まれており、ちょっと味付けが濃すぎる感は否めません。
終始ずーっと悲しいことが起こり続ける内容になっています。
乱暴者でがさつな役所さんも魅力的ではあるのですが、今作で見せる役所さんの姿は、哀愁や悲哀たっぷりのお姿です。
息子役の吉沢さんが残すタブレットの動画を見る役所さんのシーンは、筆舌に尽くしがたい虚無感や悲しさがガツンと心に重くのしかかってきます。
息子に陶芸家としての跡取りを断ったことによる後ろめたさからなのか、息子のように感じるマルコスへと繋ぐバトンは、唯一この映画の救いの部分だった思います。
とにかく、悲しい内容が多い映画ではありますが、最後は爽やかなホッコリとするエンディングに、心が洗われるような感覚が起こることでしょう。
色々と考えさせられる作品です。
ぜひご覧ください!!
まとめ
『笑の大学』、『ドッペルゲンガー』、『孤狼の血』、『すばらしき世界』、『ファミリア』の5作品を紹介させていただきました。
観れば観るほど、「役者って本当に凄いよなー!」と思わされてしまう作品ばかりです。
他にもまだまだ面白い役所広司さん映画は多数ありますので、役所広司沼にみなさんもハマってみてはいかがでしょうか?
2023年は連ドラ『VIVANT』の中でも我らが役所広司さんの活躍を見ることが出来ました。
『U-NEXT』では第1話~最終話までを絶賛配信中ですので、二度目増しての方も初めましての方も是非チェックしてみてください!!
それでは、最後までお付き合いありがとうございました!!
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