日常生活において、度々経験することのないお葬式。
身内や親戚、友人、お世話になったかた、会社関係、ご近所さん…etc
その際に準備する『香典』についての金額の相場やポイントを今回は紹介して参りたいと思います。
ちなみに私PATAは10年以上にわたり葬祭業に従事しておりました。
実際にお客さんからの問い合わせも非常に多かった印象です。
それでは行ってみましょう!!
香典袋の選び方
香典袋には幾つかの種類があり、用途によって使い分けるのが一般的です。
コンビニや100円ショップ等でも売られているので、購入する際には買い間違えのないようにしましょう。
また、入れた金額を記入する欄に書く漢数字も常用漢字とは異なりますので、予め確認しておくと無難です。
一万円 → 壱万円
二万円 → 弐万円
三万円 → 参万円
十万円 → 拾万円
他には、水引(ひも)のあるものと無いものについては、特にこだわらなくても問題はありません。
中袋にお金を入れたのちに自分で水引を元に戻すのが大変だったり、香典袋の厚みが増してかさ張るので、しいて言うなら無いものを選ぶでOKです。
更に細かい点を一つ。
香典袋の背中側の袋の合わせ方ですが、簡単な覚え方はこちらです。
『しゃくれない』
これだけです。
ちなみに下から上に合わせる状態は『上昇』を意味するので、祝儀袋の際は『しゃくれる』が正しい合わせ方です。
それでは種類についての案内をしていきたいと思います。
御霊前(ごれいぜん)
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一番オーソドックスな香典袋になります。
事前に情報が無い場合は基本的にはこれを購入し準備すれば間違いないでしょう。
仮に正しい香典袋ではなかったとしても、『気持ち』ですので失礼にあたることは無いのでご安心ください。
御仏前(ごぶつぜん)
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こちらを使う場合は、参列する葬儀の宗派が『浄土真宗』とわかっている場合になります。
宗派の考え方として、亡くなった瞬間に『仏さま』になる即身成仏の教えがあるために御仏前を使用します。
また、仏式の法事の際に使用するのもこちらの『御仏前』になります。
四十九日をかけて仏さまになったということです。
ちなみに、ごぶつぜんの表記に『佛』と『仏』の文字がありますが、どちらも同じ意味です。
『佛』が旧字体での表記に過ぎませんのでご心配なく!
玉串料(たまぐしりょう)
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こちらは、仏式ではなく神式の際に使用する香典袋となります。
お寺ではなく神社ですね。
お坊さんではなく烏帽子をかぶった宮司さんがとり行うお葬式です。
御花料(おはなりょう)
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こちらはクリスチャンの方のお葬式の際に使用する香典袋になります。
なかなか出番は少ないかと思いますが、参列場所が○○教会となっている際には準備してみましょう。
香典の金額目安
お次は香典の金額についてです。
世間一般的な香典の金額相場はだいたいこんなところです。
兄弟姉妹 30,000~50,000円
祖父母 10,000~50,000円
おじおば 10,000~30,000円
友人知人 5,000~10,000円
ご近所 3,000~10,000円
会社関係 3,000~10,000円
上記の内容が全然自分の感覚と違っていても問題はありません。
日本国内においても地域による慣習の差や、親族が多い人達の中には一律のルール(お葬式は1万円みたいに)を決めてやっている人達もいらっしゃるようです。
目安として参考にしてみて下さいませ。
マナーとしては、新札(ピンサツ)を使わないことです。
理由としては、『亡くなる前から準備していた』ことに結び付くからのようです。
仮に新札しかなかった場合は一度お札を半分に折り曲げればOKです。
また、香典袋にお札を入れる際の向きは、香典袋のオモテ面に対してお札がウラ向きになり、かつ、お札の肖像画が底に来るように入れるのがマナーです。
安価なもので構わないのであとは袱紗と数珠を持っていればバッチリ!
男女兼用の袱紗です。
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男性用の数珠です。
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女性用の数珠です。
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アドバイス①
これは出来ればやめた方が良いですよ的な私PATAからのアドバイスです。
ずばり『3,000円の香典』です。
お葬式をする側の負担を減らすための意見としてお聞きください。
香典を渡すと、それに対する御礼として喪主さんやご遺族からの香典返しを受け取ります。
その香典返しの相場の金額が3,000円前後なのです。
香典返しの考え方としてはいただいた金額の『1/3~半返し』がベースになっています。
10,000円の人には1/3返し、5,000円の人には半分以上返しですが、この部分の香典返しを一度に済ませてしまうラクチンさを取っているわけです。
3,000円の白子海苔と500円のハンカチを受け取ってしまった場合、3,000円の香典を包んだ人に香典返しを渡せば渡すほど、喪主さんは損をしていくわけです。
お互いに良かれと思ってしたことが、喪主さんへの負担となってしまいます。
更に通夜振舞として準備されるお寿司を食べたりお酒を飲んだ日には、喪主さんの赤字は更に大きくなります。
なかには、3,000円の香典を包み、「香典返しは受け取らず通夜振舞も辞退すれば良いのでは?」と考える方もいらっしゃるかもしれません。
ですが、それでは喪主さんの顔がたちません。
そこまで配慮できるお考えをお持ちでしたら、ぜひとも5,000円の香典を包んでいただき、香典返しも受け取り、通夜振舞への参加もすると。
これが最低限の礼儀です。
断ることが美徳のように思いがちですが、喪主さんはすでにお金を支払って準備をしてくれているわけです。
大勢の方が参列されているのに通夜振舞が少ないようであれば口を濡らす程度に留め、反対に通夜振舞が多く参列者が少ない場合には、無駄が出ないようにしっかりと食べる。
こういった配慮が非常に重要だと思います。
アドバイス②
これも先程同様、ぜひやめていただきたい内容のものです。
それは『連名での香典』になります。
Aさん、Bさん、Cさん、Dさん、Eさんの5名で一つの香典を包むようなイメージです。
金額は1人1,000円ずつの合わせて5,000円。
(2,000円かける5名の10,000円も同様です)
この香典を代表者のAさんがお葬式に持ってくると。
実際にこのケースは多く存在します。
パターンで言うと、ママ友の不幸や子供の同級生の親御さんや先生の不幸、子供の習い事先での不幸などなど。
やっているほうに悪気はないのでしょうが、先程の上章でお伝えしたように香典返しの相場は3,000円前後となっているのにも関わらず、代表で参列したAさんがこう言うのです。
「5人での連名なので、香典返しを5つ貰えますか??」
5,000円の香典に対して15,000円分の香典返しを持って帰ることになるわけです。
代表のAさんとしては、その他4名の代わりに来ているので当然手ぶらで帰るわけにはいかないと考えてのことでしょう。
気持ちはわかるのですが、一般的な常識からは逸脱した残念な例だと言えます。
そもそも、1,000円しか払わない程度のお付き合いであれば、しっかりと「私は遠慮します」と断ることをおすすめします。
出したいのであれば、5,000円を一人で包むことが大原則かなと。
また、香典を包むのが全てではありませんので、『お焼香だけさせていただく』もしくは『葬儀後自宅にお邪魔しお線香をあげさせていただく』などのやり方でも故人への感謝の気持ちを伝えることは出来るのではないでしょうか。
ぜひ覚えておいて欲しいと思います。
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まとめ
いかがだったでしょうか??
お葬式をやる側と行く側での感覚の差はあって当然です。
今回この記事を読んで知らなかったり間違えてしまっていた方は、次からは改めていただき、ぜひ思いやりverでの参列をお願いします。
また、地域差による慣習の違いも多くある世界なので、こちらは東京スタイルとして参考にしてください。
それでは最後までお付き合いいただきありがとうございました!!
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