日本のお笑い芸人の所属事務所最大手、吉本興業の会長である『大﨑洋さん』の著書『居場所。』が2023年3月19日に発売されました。
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約6,000人ものお笑い芸人が所属する事務所の会長とはいったいどんな人物なのか?
早速レビューを書いていきたいと思います。
それではご覧ください!
大﨑洋さんの簡単なプロフィール
まずは大﨑洋さんのプロフィールから見ていきたいと思います。
1953年7月28日生まれの2023年4月現在は69歳です。
出身地は大阪府堺市。
関西大学社会学部へと入学し、卒業後1978年に吉本興業へと入社されています。
12の『しないこと』
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大﨑洋さんが書かれましたこちらの『居場所。』は、ひとりぼっちの自分を好きになる
12の『しないこと』について書かれた内容です。
- 置かれた場所で咲こうとしない
- 孤独を見つめすぎない
- 競争しようとしない
- 限界まで頑張ろうとしない
- 白黒はっきりさせようとしない
- 友だちをつくろうとしない
- 相談しようとしない
- 目的地を決めようとしない
- 合理的にしすぎない
- みんなにわかってもらおうとしない
- ルールを決めすぎない
- 居場所を場所に求めない
よくある自己啓発本の真逆の教え方になっているのが非常に興味深いです。
一般的には『○○をやらなければならない』のような、ハート強め系の内容が大半を占めているのではないでしょうか。
読み進めるとわかってくるのですが、大﨑さんの性格に合った『しないと決めたことを絶対にしない』といった逆説的なようで、実は『Do』っぽい内容だったりする感じです。
上記の12個のテーマを実体験をもとにお話ししてくれています。
なかでも印象に残ったエピソードをいくつか紹介していきたいと思います。
マネージャー編
大﨑さんと言えばダウンタウンの元祖マネージャーとして有名です。
しかし、マネージャーになった経緯は思っていた普通の人事とは全く違うものでした。
NSC1期生として、ハイヒールやトミーズが売れていく中でくすぶっていた当時のダウンタウン。
そんな彼らのネタを見た大﨑さんは『世界で通用するかもしれない!』と密かに思っていた矢先、「俺達はどうしたらいいんですかね…?」と相談されたことを機に自らマネージャー志願を申し出て、彼らのために伝説的な帯番組『4時ですよ~だ』を立ち上げることになっていきます。
当時の大阪では若者を中心に社会現象レベルのお化け番組へと成長します。
これらのヒットは大﨑さんの手腕、ダウンタウンやそれ以外ののちのごっつメンバー(今田耕司・東野幸治・ほんこん・板尾創路・木村祐一・月亭方正)らの活躍の賜物でした。
と、このエピソードだけを見ると『敏腕マネージャー大﨑!』といった感じではありますが、大﨑さんの本質としては『競争・向上心・目指す先』が極端に乏しい、著書のタイトルにある『居場所』がわからないような人間です。
しかし、そんな劣等生にお願いをしてくる若手をほっとけないとの一心で頑張ったと記されています。
能動的というよりかは受動的能動力とでも言いましょうか。
人のために身体を張って頑張れる素晴らしい能力の持ち主です。
2019年の吉本興業の闇営業騒動の際にダウンタウンの松本さんが、「大﨑さんはお兄ちゃんみたいな存在だ。大﨑さんが辞めるなら俺も辞める。」とまで言った理由がこの当時の関係性に現れているのだと感じました。
また、くだらないエピソードとして大﨑さんと松本さんが知り合ったばかりの頃に、「俺毛じらみやねん!」と松本さんに話しかけてきた大﨑さんを見て「吉本大丈夫かな?」と思った話もされていました。
非常に良い関係性ですねww
ちなみに今回の著書『居場所。』の帯文は松本さんが書かれています!
受験・就職編
これまた意外な話になるのですが、大﨑さんは全くもって勉強のできない学生時代を過ごされていたようです。
大学受験にな、な、なんと二度も失敗していたとのこと。
勉強のやり方がそもそもわからなかったらしく、勉強のできる友達に暗記のやり方から真剣に教わったエピソードが書かれていました。
そして大学4年生の頃には、当時の彼女に食べさせてもらいながらずーっとサーフィンをしていたそうです。
完全なダメひも男…
そこから就職するきっかけになったのは、友達がナベプロに就職するといった話に影響されて、「ほな吉本に行こか」となっただけなんだとか。
しかも、お母さんの知り合いのコネを使った入社だったようです。
本当に読めば読むほどダメな男なのがよくわかるエピソードばかりで驚かされてしまいます!
友達編
読んでいて一番共感する部分が多かったエピソードです。
『大人になるにつれて友達ができにくくなる』
本当に身をもって実感しています。
学生時代を振り返ると、青春うんぬんかんぬんとは言うものの、小学校が最長で6年間、大学で4年間、中学・高校では3年間しかありません。
社会に出て働き始めれば3年、5年とあっという間に時間は過ぎ去っていくものなのに、人間関係においては時間に比例するわけではないということが体感としてあるわけですね。
どこか頭の中で『会社の人』といった線引きがされているようで、学生時代のような友人関係にはなかなか発展していかないような気がします。
でも、ここで言う大﨑さんの理論によると『無理して友達を作る必要はない』ってことになるわけですね。
友達関係になって悪いことはありませんが、いないからって気に病む必要はないと。
そのかわりじゃないけれども、どこだってなんだっていいから「居場所を見つけるのは大切かもね」と言った話になっていく感じです。
大﨑さんにとっての『居場所』はサーフィンや銭湯だったようです。
まとめ
もっとゴリゴリの熱血漢かと思いきや、情けない窓際系おじさんの話が多く非常に驚かされてしまいました。
自叙伝っぽい要素はあるものの、特筆すべき物珍しいエピソードがあるわけでもなく、どちらかと言うと周りでは嵐が起こっている中で、大﨑さんだけが台風の目の中にすっぽりと納まっていて、そこから上手く身を委ねていった結果が今に至ると言った具合です。
攻撃的ではなく太極拳のような人生だなーと感じます。
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できないことはできないと割り切り、高望みせずにマイペースを貫くと言った哲学。
当然、合う合わないはありますが、生き辛い世の中を少しでも軽減できる一冊と言えるかもしれません。
それでは、最後までお付き合いありがとうございました!!
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