SMA所属の人気芸人『錦鯉』さんが2021年11月15日新潮社より『くすぶり中年の逆襲』を出版されました。
タイムリーなタイミングではありませんが、遅ればせながら読みましたので感想を書いていきたいと思います。
それでは行ってみましょう!
漫才形式による会話型
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「こーーんにーーちはーー!!」
「うるせぇよ!」
今回出版されたこちらの本は、錦鯉名義による漫才形式による会話型の作品になっております。
本書冒頭も漫才のつかみの「こんにちはー!」からのスタート。
お互いの今までのくすぶり具合をネタっぽく振り返ってくれています。
こちらの出版の約1か月後には、歴代最年長王者として2021年のM-1の頂点を射止めるわけですね。
いやぁ、あれは感動したな…
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まさに有言実行!!
くすぶり中年の逆襲を果たしました。
私PATAは自宅でピザを食べながらむせび泣いておりました。
しょっぱいピザだったぜ…
ボケ:長谷川雅紀(はせがわ まさのり)
北海道出身のボケのまさのりさんは、北海道の吉本にもともとは所属していました。
同期にはタカアンドトシやアップダウンの二組がいます。
北海道での活動は滑り出し順調で、TVやラジオのレギュラーも獲得していたようです。
しかし、徐々にネタが受けなくなり相方との解散後ピンでの活動を経て30歳の頃に上京します。
そのタイミングで再度相方とよりを戻し、まさのりさん、相方、相方の彼女と3人での同棲を開始。
なんともいびつな構図です。
相方と相方の彼女が喧嘩していると「家に少しの間帰って来ないでくれ」と連絡が入り、夜勤明けの眠たい体でパチスロをひたすら打っていたんだとか。
月に10回程のライブを行い、残りの生活はバイトとパチスロ漬けの日々。
上京後10年が経った頃、2度目の解散を経験します。
相方が体調を壊し北海道へと戻ることになったのです。
まさのりさんは40歳です。
本書にも書いてあるのですが、このタイミングで『芸人を辞める』とか『お笑いが好きだから続ける』といったカッコイイ理由ではなく、ただダラダラと…
のような記載があるのですが、ここが絶妙にリアル。
実際に続けたからこそ売れたのは事実ですが、続けても陽の目を見ることなく終わっていく人が圧倒的です。
そんな宙ぶらりんな状態のまさのりさんの前に、遂に渡辺隆さんが登場します。
ツッコミ:渡辺隆(わたなべ たかし)
ツッコミの隆さんは、東京NSCの5期生出身です。
同期には、平成ノブシコブシ、5GAP、ピース、三瓶さんなどがいらっしゃいます。
世代的にもドンピシャのダウンタウン病の世代ですね。
尖りに尖り倒して、人のネタで笑ってなるものかの時代です。
隆さんもどうやらそっちの気が強かったようです。
今とは異なりツッコミではなくボケを担当しており、2度のコンビ解散を経験します。
その頃の日課として、彼女から毎日500円を貰いワンカップとタバコを買って、近所の中学生野球をずーっと見学していたようです。
そんなくすぶっていた隆さんですがSMA所属後には、バイきんぐ小峠さんやハリウッドザコシショウさんのネタ作りにも参加し、構成作家のような立ち位置で手腕を奮います。
ネタの構成やワードセンスは秀逸で、錦鯉の今のスタイルも隆さんの『気付きを築く』部分が非常に反映されているように思えます。
「まさのりさんのバカをもっと見てもらいたい!」
その一心でコツコツと新ネタを作り客前で披露し、ブラッシュアップを重ねて遂に2020年M-1の決勝戦へと進出していくわけです。
まとめ
そして2021年のM-1優勝へと繋がっていくんですね…
まさにブレイク前夜の作品です。
芸人の世界では錦鯉がブレイクしたことにより、希望と絶望が渦巻く混沌とした様相を見せているようです。
『諦めずに続けていればいつかはきっと売れる!!』と勘違いするベテランの売れていない勢が…
売れたから結果オーライの美談ですが、その足元には数多の生ける屍の山が残されているのも事実です。
やはり面白い人が努力をするのが大前提の世界かなと思います。
ちょっと腰が重くて鬱屈としたモヤモヤに悩まされている人は、ぜひとも本書を手に取りおじさんの努力と成り上がりを体感してみてください!
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それでは最後までお付き合いありがとうございました!!
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