2023年の10月6日に映画『アナログ』が公開されました。
恋愛映画とは無縁の暮らしを送る私PATAではございますが、原作が『ビートたけしさん』ということで観ないわけにはいかない!との思いで早速映画館へ行って参りました。
当然、原作小説の『アナログ』は読了済みです!
涙腺崩壊必須の作品なので、こちらの小説版もおすすめです。
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ネタバレを含んだレビュー記事になりますので、ご容赦願います。
それでは、ご覧ください!
キャスト紹介
『アナログ』
【配給】アスミック・エース、東宝
【上映時間】120分
【公開日】2023年10月6日
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原作:ビートたけし
代表作:アウトレイジ、ソナチネ、HANA-BI、座頭市、菊次郎の夏、キッズ・リターン
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脚本:港岳彦
水島悟:二宮和也
美春みゆき:波瑠
高木淳一:桐谷健太
山下良雄:浜野謙太
島田紘也:藤原丈一郎
浅井陽子:坂井真紀
椎名順子:筒井真理子
高橋俊和:宮川大輔
山下香織:佐津川愛美
岩本修三:鈴木浩介
香津美:板谷由夏
水島玲子:高橋惠子
田宮:リリー・フランキー
映画『アナログ』公式ホームページはこちらからどうぞ!
あらすじ
手作り模型や手描きのイラストにこだわるデザイナーの悟はある日、自らが細部までこだわって内装を手掛けたコーヒーの美味しい喫茶店『ピアノ』へと行く。
雑誌が椅子に置かれているのに気付きそれを手に取ってページをめくる。
そこには、上司の岩本が講釈を述べている姿が写されていた。
背後に人の気配を感じ振り向くと雑誌の持ち主らしき女性が立っていた。
これが、みゆきとの出会いであった。
また別の日に悟は『ピアノ』へと赴く。
1人でコーヒーを飲むみゆきを見付け相席を申し出る。
思い切って食事へと誘うと快く快諾してくれ、楽しいひとときを過ごす。
別れ際に連絡先の交換を提案すると、携帯電話を持たないみゆきは「毎週木曜日にピアノへ行くので、会いたい気持ちがあればまた会えますよ」と悟に告げる。
携帯電話を持たない謎めいた女性みゆきと悟のプラトニックでアナログな付き合いが、2人の思いを少しずつ深めていく。
悟はプロポーズを決心し、木曜日にいつものピアノへと向かう。
しかし、みゆきが現れることはなかった。
翌週もその翌週も…
みたいなストーリーです。
だいぶ、細かなサイドストーリーは割愛していますが、『アナログ』と呼ばれている本筋は上記のような内容です。
以下、感想を書いていきたいと思います!
ビートたけし本気の恋愛物語
原作小説の『アナログ』は、ビートたけしさんが芥川賞作家で芸人である『ピース・又吉直樹さん』の『劇場』に対抗しようと本気で挑んだ恋愛作品です。
暴力的なバイオレンス要素は一切ないものの、お得意の強烈なまでの『切なさ』が後半に行くにつれて怒涛に押し寄せてくる内容です。
個人的な感想としては、若干ではありますが原作小説のほうに軍配が上がるかなといった印象です。
とはいえ、映画『アナログ』も原作に忠実に作られており、小説同様に非常に面白くもあり、切なくもあり、涙なくして観ることは出来ませんでした。
そして何よりも大前提の設定がやはりめちゃくちゃ良い!
私PATA、2023年10月現在の年齢は38歳ですが、高校生になるまでは携帯電話を持っていませんでした。
その当時は、小学生中学生レベルの行動範囲なので携帯電話のない生活に特段の違和感などありませんでしたが、今に置き換えて考えると携帯電話を持たずしての暮らし、ましてや恋愛など想像が付きません。
作中にあるように『毎週木曜日にあの場所で!』のような恋愛を経験したことはありませんが、あれはあれで日常に色どりを与える素敵なデートだよなーと。
「早く木曜日が来ないかな!」と指折り数えて待つ、暮らしのもどかしさも含めての恋愛なんだよなと。
ちなみに私PATA自身だと、約束もしていないのに、1人、2人とパチンコ屋さんに友達が集まって来てしまい、お互いにちょっとだけ照れるって経験しかありません!!
ナイスな友人2人組
そして、作中に登場する主要人物の中でナイスな2人組、桐谷健太さん演じる『高木』と浜野謙太さん演じる『山下』が非常に良いお芝居を見せてくれています。
主役の悟とともに、居酒屋やバーでのシーンが多くありますが、どことなく「アドリブかな?」と思わせる幼馴染み感たっぷりのふざけたやりとりがとても好印象です。
かと思えば、悟の母、高橋惠子さん演じる『玲子』が亡くなった際には、高木と山下がしっかりと悟のフォローを嫌味なくやっていたり、終盤の波瑠さん演じる『みゆき』の真相を東京から大阪まで伝えに行くなど、絶妙なタイミングで素晴らしい働きっぷりを披露してくれています。
「悟はめちゃくちゃ良い友達に巡り合ったんだなー」とここでも喜ばしく思えて、ホッコリとした温かい気持ちにさせてくれます。
大阪での高木と山下はとにかく男前です!
ちょっとだけ残念なポイント
映画全体を通して、評価のマイナスになるほどではないんだけど、ちょっとだけ残念なポイントを紹介しておきたいと思います。
これは感覚の問題なのですが、二宮さん演じる『悟』があまりにも普通っぽすぎて、二宮さんが出演されていた『JCBカードのCM』の残像が妙にチラつきます。
これは私だけでしょうか??
これも勝手な観てる側のエゴなんですが、『何か良い人っぽいぞ』感だけ最初から最後まであって、結局何も見せ場なく終わっていきます。
当然、だから悪いとかではないのですが、何かありそう顔だけしてるような気がしてしまいます。
これもしょーがないのは百も承知なのですが、あまりにも悲しすぎるから嫌なんですよね。
本当に無理!
大好きな映画『サバカン SABAKAN』でもこの手法が取られていて、あまりにも悲しすぎて無性にイライラした覚えがあります。
細かすぎてうるせーよレベルの話しではありますが気になったので調べてみると、波瑠さんは1991年生まれ、板谷さんは1975年生まれです。
実に年齢差16歳…
無くは無いんだろうけど、もうちょっと上手く出来なかったのかな?
ただ、映画終盤の板谷さん演じる『香津美』と悟のやり取りは、本当に涙なくして観ることは出来ません。
姉はみゆきと悟のことを考えて、悟はみゆきのことだけを考えて。
思い出しただけでもウルウルと来てしまいそうです。
「ここまで人を愛せるのかな?」と自分の心に聞いてみたくなるシーンです。
まとめ
恋愛をする上で今の時代では、携帯電話やSNSありきが当然ではありますが、こんなにもピュアで純粋な恋愛が現代でも成立するんだなと思わせてくれている素敵な映画でした。
なかなか真似することは難しいかもしれませんが、週に一度ぐらいはザックリとした待ち合わせだけを決めてするカフェデートなんてのも乙かもしれませんね。
また、プロポーズを申し込もうと思った相手が、突然の病や障害を抱えることとなった時にあなたは変わらぬ愛を持ち続けることは出来るのでしょうか?
色々と考えさせてくれるお話でした!
それでは、最後までお付き合いありがとうございました!!
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