2022年8月19日に公開されました映画『サバカン SABAKAN』を観て参りました。
夏休みにピッタリな最高の映画だったので、早速感想記事を書いていきたいと思います。
ネタバレも含みますので、ご容赦願います。
それでは行ってみましょう!
キャスト紹介
監督:金沢知樹
脚本:金沢知樹、萩森淳
役名 久田孝明(子供時代):番家一路
役名 竹本健次:原田琥之佑
役名 久田良子:尾野真千子
役名 久田広重:竹原ピストル
役名 竹本雅代:貫地谷しほり
役名 内田のじじい:岩松了
役名 久田孝明(現在):草彅剛
映画『サバカン SABAKAN』公式サイトはこちらです。
あらすじ
YouTubeチャンネル新しい地図より抜粋
売れない作家の久田。
依頼が来るのは、ゴーストライターの仕事ばかり。
新たな作品を作ろうと机に向かうもペンは走らず、そんな時にふと目にしたものはサバの缶詰。
久田の少年時代の夏休みの回想が始まる。
1980年代の故郷の長崎。
クラスメートの一人に、貧乏な竹本がいた。
彼は誰とも交わらず、いつも自分の机に魚の絵を書いていた。
決まって同じランニングに短パンを履いており、クラスメートにからかわれていた。
ある日、竹本の家を見に行こうとクラスメート数人で彼の家へ向かう。
着いた先の家は、あまりにもみすぼらしく頼りない造りをしており、クラスメートの笑いものになってしまう。
それを見た久田は笑うこともなくただ茫然と立ちすくむ。
小学校の一学期が終わり夏休みに入る。
そんな夏休みのある日、突然久田の家に竹本が現れる。
驚く久田を連れて向かった先で竹本が口を開く。
「イルカを見に行かないか?」
竹本から言われた突然の誘いに戸惑うものの、イルカの魅力に負けて了承する久田。
翌朝早朝より二人の大冒険が始まる。
心臓破りの坂を昇り山を越え、その先の海岸から海を泳ぎ目的の島へと向かう。
結局目的のイルカはどこにもおらず引き返すことに。
今まで接点のなかった竹本に久田は何故自分を誘ったかを尋ねる。
「俺の家を見て笑わなかったから」
この大冒険が2人の距離を一気に縮めることとなり、2人は友達になる。
その日以降、釣りや山での遊びを竹本から教わる久田。
竹本の自宅へと遊びに行った久田は、サバの缶詰から取り出したサバをのせただけのシンプルな竹本特製のお寿司をご馳走になる。
竹本の父親は亡くなっており、幼い子供を抱えた母親が朝から晩まで働きに出ていたことを知る。
この時に竹本は寿司屋に、久田は小説家にと将来を語りあう。
二学期が始まったある日の夜竹本の母親が交通事故で急逝する。
両親を亡くしてしまった竹本ら兄弟は、親戚に引き取られることになってしまう。
天体望遠鏡を買うためにコツコツと貯めていた貯金箱を抱えて久田は竹本の元へと急ぐ。
駅で電車を待つ竹本の前にサバの缶詰を山盛りに抱えた久田が到着する。
「またね」と互いに見えなくなるまで叫びあう。
駅を出ると久田の父親が泣きじゃくる我が子を抱きしめる。
そして現代へとシーンは戻り、故郷の長崎へ降り立つ久田を駅のホームで待つ竹本。
リンク
みたいな感じです。
だいぶ掻い摘んでのあらすじです。
以下、感想を書いていきます!
久田役の番家一路くんが上手すぎる!
変わった名前が特徴的な久田の少年時代を演じる番家一路(ばんかいちろ)くん。
神奈川県出身の2010年6月10日生まれの12歳です。
久田のキャラクターとしては、優しいけど臆病で家じゃ調子ノリ的な感じです。
全編長崎弁での撮影ですが、違和感なく長崎弁を使いこなしています。
あらすじにも書いた通り、終盤で竹本の母親演ずる貫地谷しほりさんが亡くなったことによって、友達になったばかりの竹本との別れのシーンが訪れます。
駅から出た久田を、父親演ずる竹原ピストルが優しく抱きしめるのですが、あのシーンがたまらないんですよ。
泣きに泣きじゃくる久田を見事に演じています。
観ているこっちの胸も張り裂けてしまいそうな悲しい別れのシーンです。
これを書いている今も思いだすだけで涙腺が緩んでしまいます。
他には、大冒険の途中でラムネを買って休憩するシーンがあるのですが、ここでの負け顔の演技も素晴らしいです。
ヤンキーに絡まれてしまい、為す術なく辱めにあいそうになるのですが、不謹慎ながら可愛らしくて観ていて微笑ましくもあります。
私PATAが中1の頃にカツアゲされた日のことを思い出しました…
脇を固める豪華な役者陣
竹原ピストル
久田家の父親役を竹原ピストルさんが見事に演じています。
ランニングにトランクスに無精髭と昭和の小汚いお父さん丸出しです。
かつ、めちゃくちゃ下品で、キン〇マをいっつも掻いているダメな大人です。
なんとなく臭そうな雰囲気さえ醸し出していますwww
でも、大冒険の出発前には小遣いをこっそりくれたり、自転車の荷台に座布団を敷いてくれたりと子煩悩で優しい姿も見せてくれます。
竹本との別れのあとの息子を優しく抱きしめる姿には心を打たれます。
尾野真千子
母親役の尾野真千子さんもちゃきちゃきの性格で男勝り。
竹原ピストルとの過激な舌戦を繰り広げています。
バシバシ手を出す昭和の母親を見事に演じています。
今じゃ考えられない話ですが、めちゃくちゃ懐かしくも愛を感じる心地よい原風景です。
貫地谷しほり
竹本の母親役には貫地谷しほりさん。
貧しいながらも明るく元気に働くお母さんです。
友達のいない息子竹本のことを心配しつつも、兄弟の面倒を見てもらい自分は大黒柱として一生懸命に働くわけです。
監督に文句を一つだけ。
ストーリー的に転校する風に持っていきたい気持ちもわかるけど、死なせなくたっていいじゃない!
なんとなく読めてはいたけど、哀しすぎるんだよ。
もうやめてよ本当に。
竹本可哀想過ぎるよこれ。
岩松了
ミカン畑のオーナーこと内田のじじい演ずる岩松了さん。
竹本がミカンをことあるごとに盗みに来るので、2人の関係はさながらルパンと銭形のよう。
宿敵でいがみ合う両者ですが、竹本が地元を去る間際に駅のホームに姿をみせます。
「酸っぱいところだけを集めてきた」
と、竹本に渡す紙袋の中には大量のミカンが入っています。
くぅううううう。
内田のじじいやってくれるぜ…
めちゃくちゃ良いシーンです。
ここもガッチリ泣かされてしまいます。
草彅剛
久田の現代版を演じるのが草彅剛さんです。
離婚していたり、仕事が上手くいっていなかったりと色々な設定はあるけど、マジで脇役です。
こんなにも草彅剛さんを無駄遣いするとは…
草彅剛さんの本気を見るのであれば、こちらの『ミッドナイトスワン』が最高です。
トランスジェンダーの役で子供の面倒を見つつも、体がドンドン壊れていく悲しいお話です。
これぞ草彅剛!を存分に魅せてくれる素晴らしい作品です。
涙につぐ涙で、映画館でむせび泣いていたのを思い出します。
草彅剛さんファンじゃなくともぜひご覧くださいませ。
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【追記】DVDの発売について
待ちに待った映画『サバカン SABAKAN』のDVDの発売へ向けた予約がスタートいたしました!
映画「サバカン SABAKAN」Blu-ray/DVD + パンフレット | 新しい地図 (atarashiichizu.com)
しかし、上記サイトをご覧いただくとわかるのですが、2022年12月9日(金)20時00分~12月18日(日)23時59分の間のみでの受注生産になっており、現在は受付終了になっています。
上章でも紹介した草彅剛さん主演の『ミッドナイトスワン』も同様の販売方法だったことにより、現在ではメルカリ等でしか購入ができないような状態になっています。
このことから、今回の『サバカン SABAKAN』についても同じ道を辿るのではと推察されます。
販売価格自体6,050円と一般的なDVDより割高な価格設定になっているものが、メルカリ等では10,000円以上の高値での販売が目立ちます。
転売うんぬんと叫ばれている昨今、このような販売手法をとっていることにはいささかの疑問をおぼえてしまうのは私だけでしょうか?
『ミッドナイトスワン』しかり、今回の『サバカン SABAKAN』も後に高値での販売になることが容易に想像できます。
どちらも本当に素晴らしい映画なのに、個人的には非常に残念に思ってしまいます。
ちなみに私PATAは、上記ホームページの問い合わせフォームより『素晴らしい映画を色々な人に見ていただけるはずなのに、転売を誘発する販売方法に疑問を感じています。再販をしてください!』と送ってみましたが、一向に返事は帰ってきません…
DVD欲しかったのになー。
更に追記情報!
Netflixにて2023年5月15日より、『サバカン』と『ミッドナイトスワン』が見られるようになりました!
まだ未視聴の方はどちらも素晴らしい映画なので、ぜひご覧くださいませ!
まとめ
ここ最近観た映画の中では、圧倒的に面白かった作品です。
今の若い人や女性が観ると、感覚的に違うのだろうか?
とりあえず騙されたと思ってご覧ください!!
冬に観る作品ではないので、この暑い今の時期にぜひ。
観終わったころには、甘酸っぱい幼き日の思い出が蘇るかもしれません。
夏休み+少年+久石譲のこちらの作品も合わせて超超おすすめ。
リンク
北野武監督の『菊次郎の夏』です。
たけし軍団が体を張って笑わせてくれます。
めちゃくちゃ面白いのでぜひ!
それでは最後までお付き合いありがとうございました!!
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