今回こちらの記事では、実際に事実として起こった凶悪な事件をモデルに作られた映画を3本ご紹介して参りたいと思います。
私PATAは映画をきっかけに事件のことを知り今回調べてみたのですが、まぁ胸糞の悪い狂った史上最悪の犯罪と言わざるを得ません。
映画を観ていただければわかるのですが、事実をもとに作られているので相当に闇深くグロテスクでございます。
それでは、ご覧ください!!
映画『冷たい熱帯魚』
【公開】2011年1月29日
【配給】日活
【上映時間】146分
【映倫区分】R18+
【監督】園子温
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社本信行/吹越満
社本妙子/神楽坂恵
社本美津子/梶原ひかり
村田幸雄/でんでん
村田愛子/黒沢あすか
筒井高康/渡辺哲
小さな熱帯魚店を経営する社本と妻の妙子は、娘の美津子が万引きしたと連絡を受け、スーパーへ向かう。
そこで警察への通報をされそうになったとき、同じく熱帯魚店を経営する村田幸雄の介入でお咎めなしに。
社本よりはるかに大きい店構えを持つ村田は、若い女の子を全寮制の寮付きで雇っており、美津子もそこで面倒を見ても良いと申し出る。
再婚相手の妙子と美津子の不仲に悩んでいた社本はその申し出を受ける。
完全に村田のペースに乗せられた社本夫妻は、熱帯魚の養殖ビジネスに協力する事になるが、どんどん深みにはまっていく…。引用元:日活公式サイト
【実際の事件】埼玉愛犬家連続殺人事件
【事件概要】
埼玉愛犬家連続殺人事件とは、1993年(平成5年)に日本の埼玉県熊谷市周辺で発生した連続殺人事件。
1993年4月~8月にかけて犬猫繁殖販売業を営んでいた男Sと、彼の前妻でペット販売会社社長である女Kの元夫婦2人が共謀し、外国犬の取引でトラブルになった男性ら3人を猛毒の「硝酸ストリキニーネ」で毒殺した。
またSは知人女性に話していた出資話が虚偽であることが発覚することを恐れ、同様の手段でこの女性を殺害した。
被害者4人の遺体はいずれも、群馬県利根郡片品村にあったペット販売会社役員の男(懲役3年の実刑判決が確定)宅で解体・焼却された上で遺棄された。マスコミ報道が先行した事件であり、被疑者の映像が連日映し出された上、完全犯罪を目論んだ残忍な結末が明らかになるなど異常性の高い事件であった。
主犯とされた元夫婦の男女2人(男S・女K)は殺人罪・死体損壊罪などに問われ、ともに2009年(平成21年)6月に最高裁で死刑判決が確定したが、Sは2017年(平成29年)に東京拘置所で獄死している。
なお、Kは戦後日本では12人目の女性死刑囚(女性の死刑確定者)であり、1981年(昭和56年)以降に死刑が確定した日本の女性死刑囚としては9人目である。引用元:Wikipedia埼玉愛犬家連続殺人事件より一部抜粋
映画の感想
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上記にある通り実際にあった事件をモデルに作られた映画『冷たい熱帯魚』ですが、このWikipedia内ではSとされる人物を、でんでんさん演じる『村田幸雄』という男として描かれているのですが、まぁこいつがとにかく悪い!
Sの人物像として記載されている『口が達者』、『厳ついけどユーモアがある』、『激情型』などの部分をかなり近いレベルで演じているのではないでしょうか。
また、作中何度も村田が発する「ボディを透明にする」というクレイジー過ぎる異常さが恐怖を引き立たせてくれています。
他にもYとされる人物として吹越満さん演じる『社本信行』、Kとされる人物として黒沢あすかさん演じる『村田愛子』のこの両名の鬼気迫る演技も圧倒的過ぎて、めちゃくちゃに怖過ぎます。
「カット!!!」の掛け声のあとはどんなテンションになるのでしょうか…
本当に役者さんって凄いんだなと、まるで馬鹿な子のような感想しか出てこないぐらいの凄さでした。
どぎついグロテスクなシーンや性的なシーンも多くあるので、苦手な方は一人で見ないほうが無難かもしれません。
R18+の指定も付いているとおり、お子様にはくれぐれも見せることのないようにしてください!
SとKと同様に事件の容疑者として逮捕されているYが出所後に書いた本が販売されていました。
プレミアム価格になっているらしく私PATAには手が出せませんが、ご興味のある方は下記リンクよりお手に取ってみてはいかがでしょうか?
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ちなみにSには立件されていない幾つもの事件があるらしく、30人以上のボディを透明にしていたという話もあるんだとか…
映画『凶悪』
【公開】2013年9月21日
【配給】日活
【上映時間】128分
【映倫区分】R15+
【監督】白石和彌
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藤井修一/山田孝之
須藤順次/ピエール瀧
木村文雄(先生)/リリー・フランキー
それは、ある死刑囚の告白から始まったー
「自分は死刑判決を受けた事件の他に、誰にも話していない3つの殺人に関わっています。
そのすべての首謀者は、自分が先生と呼んでいた男です。
そいつが娑婆でのうのうと生きているのが許せない、この話を記事にしてもらい、先生を追い詰めたい。」獄中からの告白。
先生と呼ばれた男。
死の錬金術師…史上最悪の凶悪事件、その真相とはー?
引用元:日活公式サイト
【実際の事件】上申書殺人事件
【事件概要】
上申書殺人事件とは茨城県で発生した殺人事件である。
「上申書事件」「茨城上申書殺人事件」とも称される。死刑判決を受けて上訴中だった元暴力団組長の被告人Gが、自分が関与した複数事件(殺人2件と死体遺棄1件)の上申書を提出。
Gが「先生」と慕っていた不動産ブローカーXが3件の殺人事件の首謀者として告発された。
Gに取材を続けていた雑誌『新潮45』が2005年に報ずると世間の耳目を集め、Xが関与した1つの殺人事件について刑事事件となった。GはXと共同殺人ののちに、自分に不義理を働いた人物らに制裁を加えるため、共犯者1名と共謀の上1人の男性を川に突き落として水死させたのち、多数の共犯者と共謀の上別の1人の自宅を襲撃してその場にいた男女4人全員を監禁し、高濃度の覚醒剤を注射して女性1人を中毒死させ、部屋を放火して残り3人の殺害を企てた、水戸市男性殺害事件・宇都宮男女4人死傷事件の首謀者として上記の判決を受けていた。
Gが上申書で告発したきっかけは、Xが首謀した殺人事件の報酬を受け取る約束が、直前に別の刑事事件で逮捕・長期勾留されたことでXに反故にされたこと、世話を頼んだ舎弟が自殺した際に舎弟の財産がXの手により処分されたことであった。
上申書の中ではXや舎弟(別事件の共犯らおよび自殺した人物)だけでなく、Xと関わりのある会社経営者や死亡者の家族らもX同様逮捕を免れた共犯として名前が挙がっていた。引用元:Wikipedia上申書殺人事件より一部抜粋
映画の感想
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こちらの映画『凶悪』は終始陰鬱とした雰囲気の中、何が正義であり善かを考えさせらるお話です。
上記の上申書殺人事件をモチーフにされているのですが、映画内では出てくる登場人物全員が基本的には腐っています。
男性ホルモン過多俳優『山田孝之さん』が主演ということで観賞したわけですが、また彼自身も仕事の忙しさにかまけて認知症の母親の介護を池脇千鶴さん演じる奥さんに擦り付けているろくでもない男を演じています。
そんな彼がピエール瀧さん演じる須藤の告発により、リリー・フランキーさん演じる先生の悪事に迫っていくというお話。
とにかく、須藤と先生が下衆の極み中の下衆の極みっぷりをこれでもか!と見せてくれています。
「ボディを透明にする」的な隠語として「ぶっこんじゃいましょうか?」と脳筋丸出しですぐに人を殺めてしまう須藤かと思いきや、仲間にだけは心を開く危険過ぎるピュアな一面を見せたりと、ピエール瀧さんのお芝居が炸裂した作品です。
また、先生が時折見せる強烈に冷めきったドライな眼の怖さもさすがの一言です!
ちなみに、映画終盤、事件の真相に近付こうかとしたところで証言者がまさかの交通事故にあってしまい、「んっ!だよっ!」とイラつくのですが実際にこれも本当にあった出来事のようです。
映画『日本で一番悪い奴ら』
【公開】2016年6月25日
【配給】東映、日活
【上映時間】135分
【映倫区分】R15+
【監督】白石和彌
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諸星要一/綾野剛
黒岩勝典/中村獅童
山辺太郎/YOUNG DAIS
アクラム・ラシード/植野行雄(デニス)
日本警察史上最大の不祥事。奴らはいったい何をしたのか!?
北海道警察の新米刑事・諸星要一は、叩き上げの刑事たちの前で右往左往する毎日を送っていた。
そんな中、所内随一の敏腕刑事・村井から教えられた刑事として認められる唯一の方法、それは【点数】を稼ぐこと。
あらゆる罪状が点数別に分類され、熾烈な点数稼ぎに勝利した者だけが組織に生き残る。
そのためには裏社会に飛び込み、捜査に協力するスパイ=S(エス)を仲間にし、有利な情報を手に入れろーー。
こうして、その教えに従った諸星と、彼の元に集まった3人のSたちとの狂気と波乱に満ちた生活が始まった。
「正義の味方、悪を絶つ」の信念をもちながらも、でっちあげ・やらせ逮捕・おとり捜査・拳銃購入・覚せい剤密輸など、ありとあらゆる悪事に手を汚した北海道警察の刑事・諸星の行き着く先は!?
「日本警察史上、最大の不祥事」と呼ばれる実際の事件をモチーフに、日本一ワルな警察官と裏社会のワルたちのタッグが巻き起こすヤバすぎる事件の幕が切って落とされる!引用元:日活公式サイト
【実際の事件】稲葉事件
【事件概要】
稲葉事件は、2002年7月に北海道警察の生活安全特別捜査隊班長である稲葉 圭昭(いなば よしあき)警部(当時)が覚せい剤取締法違反容疑と銃砲刀剣類所持等取締法違反容疑で逮捕・有罪判決を受けた事件である。
稲葉は1953年に北海道門別町に生まれる。
北海高等学校を経て、東洋大学では柔道部で活躍した。
1976年に道警へ入り、暴力団捜査に長く携わった。金丸信副総裁狙撃事件をはじめ全国的に続発する拳銃事件に対し、警察庁は1993年頃から全国の警察へ大号令をかけた銃器摘発キャンペーンを受け、道警は1993年4月、防犯部(現:生活安全部)に銃器対策室(1996年に課へ改組)を設置し、稲葉は旭川中央署から初代捜査員の一人として配属された。
2001年4月に警部へ昇進し、生活安全特別捜査隊へ異動するまでの8年間で、稲葉は約100丁近い拳銃を押収した。
銃器対策課の元捜査員は、「稲葉! 今月も何とかならんか」と幹部がげきを飛ばすと、通常なら10回は捜査するところを、稲葉は数日後にいとも容易く拳銃を押収してくる、というやり取りが繰り返されていたと話している。
その多くは、誰が持ち主かわからないまま押収される「首なし銃」と呼ばれる拳銃であり、そのほとんどが捜査協力者との裏取引で手に入れたものであった。
後の公判で稲葉は、約70丁が捜査協力者から入手し、摘発を装ったものと述べている。
なお「首なし銃」については、1993年の銃刀法改正による「自首減免」制度が大きく影響している。稲葉は暴力団員らと接触して捜査協力者を増やし、情報入手のために飲食代を負担したり小遣いを渡したりしていたが、資金の工面に困るようになる。
そのため、協力者とともに拳銃や覚せい剤の密売に手を染めるようになった。稲葉は密売で手に入れた金を、交際していた巡査部長(後述)との交際費や、輸入車の購入にも使っていた。
引用元:Wikipedia稲葉事件より一部抜粋
映画の感想
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こちらの映画『日本で一番悪い奴ら』は今までの2作品とは若干テイストが異なる作品ですが、これまた上記の通り稲葉事件をモチーフに作られた作品となっております。
白石和彌監督作品という共通点もあるせいか、若干ではありますが映画『孤狼の血』と似たような印象が個人的には否めません。
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内容としては、警察官でありながら、警察官らしからぬ悪事を働くというお話です。
現実に起こった出来事として考えてみるとめちゃくちゃだなとは思うのですが、綾野剛さんの芝居があんまり…
どちらかというと、いち警察官が犯した罪と言うよりかは組織としての在り方を考えてしまう作品でしたかね。
結局、トカゲの尻尾切りのように稲葉さんだけが黒幕っぽい印象ですが、どうも気持ちの晴れない事件と言えそうです。
稲葉さんご自身も出所後にはYouTubeや書籍にて事件のことを詳細に語られているので、そちらも合わせてチェックしてみるとより一層闇の深さが伺えると思います!
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まとめ
『事実は小説よりも奇なり』という言葉にもあるように、創作されたものではなく事実ベースで作られたストーリーには深い闇が広がっているんだなと痛感させられる映画『冷たい熱帯魚』、『凶悪』、『日本で一番悪い奴ら』の3作品を紹介して参りました!
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こんな事件が起こらないに越したことはありませんが、こうやってエンタメに昇華したことにより、考え方によっては事件を風化させないということになるのかもしれません。
被害に遭われた方がいらっしゃる以上、なかなか面白いなどと言うのは多少なりとも気が引けてしまいますが、映画に罪はございませんので楽しんでいただければなと思います。
それでは、最後までお付き合いありがとうございました!!
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