吉本興業のお笑いコンビ、ピースの綾部祐二さんの著書『HI,HOW ARE YOU?』が2022年7月15日KADOKAWAより出版されました。
渡米後およそ5年間の沈黙を破り、一体全体何を語るのか?
綾部さんを魅了し続けるアメリカとは?
ちなみに私PATA、読了直後の興奮冷めやらぬ状態です。
それでは早速感想を書いて参りたいと思います!!
自己啓発本よりも自己啓発される
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どうですかこのジャケット写真。
めちゃくちゃイキがってますねww
ナルシストと自己中は違う
本書の中にも言及されている部分があるのですが、綾部さんはこのジャケット写真でもお分かりいただけるようにどぎついナルシストです。
本人はいたって真剣そのものです。
人に押し付けるタイプのナルシストではなく、
『主演:オレ、監督:オレ、脚本:オレ、プロデューサー:オレ。
そして大切なのが、観客:オレ。』
自己陶酔系のナルシシズムです。
人からどう言われようがどう思われようが関係ないねと。
自己肯定感が低い人には伝わるかわかりませんが、個人的には一種の自己催眠であっても構わないのかな~と思います。
「自分はまだまだこんなもんじゃないんだ!」と。
『自分を褒める』だとか『自分を好きになる』だとか、ありがちですが出来るようでなかなか実際には出来ないわけで。
いっそのこと、綾部式ぐらい振り切ってみるのも今の時代を生き抜くためには必須のスキルなのかもしれません。
ポジティブシンキング
渡米後の5年間の今までを綴ったこちらのエッセイですが、全編を通じてネガティブな部分が一切登場しません。
常に未来を見据えた上での行動や言動が見て取れます。
売れていた日本での芸人としての活動をストップさせてまで挑戦する壮大な夢。
『ハリウッドでレッドカーペットを歩く』
ことです。
傍から「見ればキャリアを捨ててまで叶えたい夢なのか?」と笑われそうなあまりにも漠然とした滑稽な夢です。
本書を読む限り未だ道半ばも半ば。
でも、歩みを止めることなく自分の道を突き進んでいることがわかります。
今年からニューヨークだった拠点をロスアンジェルスへと移し、綾部祐二のアメリカ生活のチャプター2が始まったと記しています。
ここで第二章ではなくただ場面が変わっただけの『チャプター2』と現す部分にも、現在の置かれている現状をしっかりと把握しているさまが伺えます。
5年が経った今もほとんど英語が話せないようで、自分のコミュニケーション能力の高さがかえって仇になったと表現されています。
それをも含めて、非常にアメリカ生活を楽しんでいる感じが伝わってきますね。
『いじける』ことを捨てる
学生時代の部活動でのエピソードです。
野球部でノックを受けたさいにミスをした綾部さんは監督に怒られます。
「集中できない奴はグランドを出て走ってろ!」
綾部さんは監督の指示に従い、そこから4時間もの時間を走り続けます。
4時間経ち監督から呼ばれた綾部さんはこう言われます。
「お前が走ったのは『いじける』と言う行為で、この先、お前の人生には一切必要ないものだ!」
「もし今後、同じようなことがあったときは『もう一本おねがいします!』と言うことだ!」
綾部さんはそれ以来『いじける』ことを捨てたのです。
これは考えさせられる非常に大事なことだと思います。
『いじける』って行為には全くの生産性がありません。
「俺なんて…」や「あいつのせいで…」と考えてみたところで何も生まれて来ないわけです。
「できなかったことはあるけど、やらなかったことはない」
これは、最終章に出てくる綾部さんの人生最後のインタビューで言いたい一言です。
「できなかったことはあるけど、やらなかったことはない」
これにはグッと来るもんがありますね。
30代・40代・50代の人には突き刺さるフレーズではないでしょうか?
私PATAは現在37歳です。
まさにウジウジと鬱屈としたニート生活を続けているので、この言葉はあまりに眩しくて羨ましくて怖くて、全身を駆け巡るような衝撃です。
何かやりたいけど、何をしていいかわからない。
ただ漠然と何かを成し遂げたい、成し遂げられる気持ちだけはある。
そんな私のような思春期おじさんにはたまらない一言です。
まとめ
だいぶ掻い摘んで記したのですが、他にも気持ちのいいミーハー過ぎるエピソードや渡米前に経験した日本での悲しい出来事も面白いです。
『芸人 綾部祐二』の活躍を知らない世代の人にも読んでいただける素晴らしい内容の作品です。
自己啓発本ばかり読み漁っても、書いてあることは似たり寄ったりの手あか塗れの使い古された言葉ばかりです。
よっぽど『HI,HOW ARE YOU?』のほうが自己啓発本としてモチベーションを高めてくれるでしょう。
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それでは最後までお付き合いありがとうございました!!
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