私PATAは現在絶賛ニート中でございます。
2021年の10月末に11年半勤めた会社を退社し、2022年6月現在ニート7か月目へと突入いたしました。
7か月目ともなればそこそこ仕事も覚え、それなりの人間関係なんかも出来上がっているぐらいの感じでしょうか?
要するにニート生活も板に付いてきたって感じです。
そんな私PATAの以前の職種は『葬儀屋』だったんですね。
縁がないことが一番ですが、誰もが間違いなく一度はお世話にならざるを得ない場所。
そんな業界のお話を記事にしていきたいと思います。
人間関係
入社した当時は20代前半のピチピチな私PATA。
前職は引っ越し屋さんで働いていたため、細くてムキムキのナイスバディでした。
年も若くお葬式とは無縁の暮らしをしていたため『お通夜』『葬儀』『告別式』『お葬式』の違いも判らず、全部お葬式でしょ?ってな具合。
ちなみに志望動機も単純で、
・周りにやっている人がいない
・スーツを着る仕事に就きたい
・斬新だ
・稼げそう
我ながらめちゃくちゃ頭悪そうですよね…
業界的に20代と言えばそれはそれは若く、周りには50代~60代の方ばかり。
人生経験も豊富でそもそもの一般的な常識レベルが全く異なっていました。
更に当時の葬儀屋さんは職人気質の方もバリバリに活躍されており「仕事は見て盗め!」と言った、寡黙かつ声小さい系おじさんだらけ。
何度となく逆鱗に触れ怒鳴られる毎日を過ごしていました。
この当時はお客さんと話をしていても『わからずに答えられない質問』が多かったり、年上の従業員と一緒にいると、『お客さんの話す先は全部年上のスタッフ』っていうのが非常に面白くなく、一刻も早く知識を手に入れなければと焦っていたように思います。
喋ること自体は得意なほうなので、嘘にはならない程度のはぐらかせかたを駆使しつつ、地肩がつくまでは本を読んだり、上司に聞いたりととにかく勉強する日々でした。
そんな中ではありましたが、持ち前のひょうきんさとナメられたくない一心で頑張りまして、徐々に一員として受け入れられるようになっていくわけです。
持ち前のひょうきんさはこちらをどうぞ。
他に業界的な特色を言うと『男女問わず喫煙率が異常に高い』ってことが言えるかと思います。
見事と言わんばかりの煙突集団です。
いつみても喫煙所はパンパン。
恐らく、待機拘束されている時間が長いためにそんな具合なのではないかなと思っております。
お酒が好きな人も非常に多いのですが、休みを一斉に取ることが難しいため飲み会は少ないような気がします。
本当に休みがなく働き続けるので数年に一度のペースで、業務時間中の飲酒が発覚し消えていくスタッフがいるのも業界特有と言えそうです。
焦ることのないようにまずはコチラ。
勤務形態
ここがいわゆるブラック企業たるゆえんになる部分です。
日曜、祝祭日休みの9:00~18:00って募集を見て働きだしたわけなんですが、当然お通夜は18時スタートが多く、帰れるわけもありません。
日曜、祝祭日に関しても同じで、その日にお葬式が入ったら…
じゃあ振替で平日に休めるかと言うと、その日にお葬式が入ったら…
って感じで、基本的には休めなくなってくるわけですね。
一般的に認知度の高い『友引』ですが「その日はお葬式をやらないから休めるんでしょ?」とよく聞かれます。
亡くなる方にとって友引や時間は関係ないので、搬送業務ってものがあったりします。
なので友引も関係ありません!!
休みが取れないことに加えて頭を悩まされる業務が宿直当番。
私PATAが勤務していた会社では夕方18:00~翌朝9:00までの待機になります。
深夜2時でも早朝5時でもご不幸が起こればお迎えに参上しないとならないんですね。
「電話よ鳴るな!!!」と願うもまぁーーー鳴るんです。
11年半の経験上一番多く出動していた時間は、なぜか深夜2時~3時の間です。
搬送先へ向かいご遺体を自宅もしくは祭場にご安置し帰ってくると、朝になっておりそのまま1日がスタートするわけです。
思い出として一番キツかったのは、夜中に搬送の依頼が入り往復150㎞の距離を走り自宅マンションへのご安置。
エレベーター無しの5F、ご遺体の故人さんは100㎏近いヘビー級。
まぁ大変でした。
これが月に6~7回。
仮に月に5回の宿直をすると年間で60回。
2か月分の家賃は捨てている事実…
といった感じで、バチクソのブラック黒光り企業の完成です。
年間の休日は40日前後だったかな。
ある程度人数がいる葬儀屋であれば休みもそれなりに確保できるようですが、離職率がべらぼうに高いわりに人が入ってこない業界なので、基本的に現場は常に満身創痍で働かざるをえず負のループが続いております。
実際に過労がたたり、仕事時間中に倒れてそのまま亡くなった人がいたぐらいです。
休みは休みでのんびりかと言えばそうでもなく、とにかく電話がジャンジャンかかってくるんですね。
お客さんからの問い合わせや注文の変更に始まり、「あれってどうなってる?」と会社からの電話や業者からの電話などなど。
人権とは何??
休日とは??
結局これだと休んでいられずに出勤するかーみたいなことになってしまうわけです。
家庭をぶん投げる形になってしまいがちなので離婚率も以上に高かったような気がします。
挨拶はお願いする時代ですね。
給料
そして「給料はどんなもんじゃい??」ってことになるわけですよね。
私PATAの性格上、どれだけ忙しくても貰えるもん貰えてりゃ頑張れる派なんです。
なので、学歴も資格もないわりにそれなりに貰えていたわけです。
が、しかしです。
昨今のコロナ禍の煽りうけて、小規模で執り行うお葬式や食事がないお葬式が増えたのもあり、みるみる給料が下がっていったんですね。
忙しさや仕事内容としては変わらず…
そりゃ続けていけないぜ!!ってなもんで昨年重い腰をあげて退職する運びとなったわけです。
とは言ってみたものの実際のところとしては、葬儀業界の未来は明るくないのを肌でビンビンに感じたことが一番大きかったように思えます。
コロナ禍が完全に終息を迎えても、葬儀形式自体は今のままでコロナ以前のようには恐らく戻らないと。
日本の葬儀業界は、昔ながらの慣習やしきたり高齢者の懐古主義が蔓延る閉鎖された世界です。
昔は良かった病に侵されて、小手先だけのボッタクリ商品で利益を確保している始末です。
綺麗事を言うわけじゃないけど、お金が貰えないことよりもお客さんに寄り添わないお葬式をすることがキツくなってしまった。
友人や身内の不幸の際に、「うちの会社でばっちりやってあげるよ!」って恥ずかしながら言えなかったんですよね。
「ぼったくり会社だからうちは辞めたほうがいいよ!」って。
11年半勤めてこれは我ながらショックですよー。
給料の話しからだいぶ脱線してしまいました。
熱くなり過ぎちゃった…
給料の話しに戻りますが、世の中の仕事としてのアベレージは低くはない程度だと思います。
休みも時間も関係なくて「これだけ?」感は否めませんが…
もっと貰うべき職種だと思います。
大手と小さいところで差があるとは思いますが、そんなにイメージ程は儲からないかと。
上記で書いたように今後を見据えると更に儲からないのではといった印象です。
30年間労働者の賃金が上がらずに企業の内部留保が膨らんでいると話題ですが、大手葬儀社ではこれが常態化していると考えられます。
業界内の偉いおじさん連中はいい気なもんで、ゴルフに釣りにお酒にと遊びまわっているイメージですね。
ご遺体
葬儀屋で働くと聞かれる質問は「儲かるの?」と「ご遺体に触るんでしょ?」の2つ。
儲かるのに関しては上章参照として、ご遺体に触るんでしょについては当然触りますよね!が答えです。
亡くなると身体の機能は失われていくので、すぐさま腐敗が始まります。
それを緩やかにするために必要なのがドライアイスを当てる処置になります。
まずはこちらを行うのですが、まれに『腐敗を止める』と勘違いしているかたがいらっしゃいます。
しかし、遅らせることが出来るだけで腐敗を止めることは出来ません。
新人で入社した直後に「やっぱり出来ません。辞めます。」となるのもこの作業で心が折れる場合が多いように思います。
他には、自殺、殺人、轢死、溺死、焼死、交通事故死と様々な状態のご遺体と対面していく中で、ポキッと心が折れてしまうわけですね。
ちなみにお正月のニュースで毎年やっている『お餅をのどに詰まらせて…』っていうのもありましたね。
これ以上は本当に形容できないような話ばかりになるので細かい説明は割愛させていただくことにします。
ここ数年で一気にメジャーになっているご遺体の処置の中に『エンバーミング』というものがあります。
ご存知でしょうか??
クレジットカードの海外保険の付帯サービスに記載があったりするので確認してみるといいでしょう。
エンバーミングの内容とは、ご遺体の血液を抜いてその中に防腐剤のような薬液を入れて『腐敗を止める』処置のことを言います。
腐敗したものを治すことは当然出来ませんが、腐敗を止めて現状を保つ意味合いとともに感染症対策の一つとして有効とされています。
旅行先(遠方の出先)で亡くなってしまった場合の選択肢として、
①旅行先で火葬をしお遺骨を地元へ連れてかえる
②ご遺体を飛行機や車を使い地元へ連れてかえる
このパターンになるのではないかと。
①のパターンの場合は日本国内であれば可能ですが、海外だと土葬文化の可能性もあり火葬が出来ないケースも考えられます。
そういった際にこのエンバーミング処置を施し、腐敗を止めた状態でお連れすることになります。
②のパターンも同様にエンバーミング処置をするのがベストだと言えます。
ちなみにエンバーミングをする際には、2年間の専門学校を卒業したエンバーマーと呼ばれる有資格者が施術を行うので、現場レベルでやる処置とは全く異なりますのでご安心を。
他に葬儀屋さんが行うのは服の着せ替えや簡単な身体の処置程度になります。
私PATAは服の着せ替えを警察署の霊安室でおこなっている際にぎっくり腰になってしまい冷や汗をかいた記憶があります。
業界にはパワーストーンを付けている方が非常に多いです。
最後に…
いかがだったでしょうか??
これでもかってぐらいネガティブ三昧を書き殴りましたが、実際にはご遺族との触れ合いや、感動的なお葬式に携わった際には、半端じゃないやりがいがあるのも魅力的な仕事だと胸を張って言えます。
私PATAが面接をされた際に印象に残っている言葉に、
「PATAくんが今までに経験した事がないような感謝をされる仕事だよ」
と、のちの上司に言われたわけですが、その言葉に嘘偽りはなく本当に喜んでいただける素晴らしい素敵な仕事だと思います。
ポイントとしては入社した先の経営者のやりかたに賛同出来るかどうかってことになりそうです。
だいぶ長きに渡り書いてきたのですが、このような怒涛の11年半を過ごしてきた反動が過分に溢れ出してしまい、『一向に働きたくない病』にかかってしまったわけです。
葬儀屋さんで働いてみようかなとお考えの方の参考になれば幸いです。
また、「葬儀屋さんって大変なんですね!」と頭の片隅において頂ければなお幸いです。
それでは最後までお読みいただきありがとうございました!!
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