昔からずーっと好んで継続していることの中に『お笑い』が私PATAの大半を占めています。
自分でするうんぬんではなく、TVで観るバラエティなども含めてとにかく『お笑い』無くして自分の性格や人生観は今のようにはなっていなかったレベルです。
実際にやってみたこともあったりして…
そんな大好きなお笑い芸人が本を出せば読まずにはいられないわけで。
ネタを書ける芸人が書く小説なんて言われた日にはそりゃもうね。
また、あの面白い人の頭の中を覗けるエッセイが出るなんて言われたらもうね。
というわけで、今回はサクッと読めて、かつ、面白かった本を3冊紹介してみたいと思います。
ネタバレも含みますのでご了承願います。
むき出し/兼近大樹(EXIT)
リンク
まずはこちらEXITの兼近大樹さんの初小説『むき出し』。
2022年8月27日、28日には日本テレビで放送される『24時間テレビ 愛は地球を救う』のマラソンランナーにも選ばれました。
100kmを終始笑顔で走り切り、応援してくれるファンを勇気付ける素晴らしい走りを見せてくれました。
チャラくてパリピだけど、実は良いやつってのがバレてますね。
初めて見たのはテレビ東京の深夜番組ゴッドタンだったような…
相方のりんたろーさんは老人ホーム、兼近さんはベビーシッターをやっているとかで、「お前等めちゃくちゃ良いやつじゃねーか!!」みたいな展開だったかな。
ちなみにりんたろーさんはこのゴッドタンでの共演をきっかけに知り合った本郷杏奈さんとご結婚されましたね。
おめでとうございます!!
そんなEXITの兼近さんの作品です。
自伝的な要素が強く、ストーリーも兼近さんと主人公の石山大樹がリンクしているようです。
おおまかなあらすじはこんな感じです。
北海道で生まれ育ち、家庭環境のせいから中学卒業後夜の世界に入り、警察の厄介になるものの、拘置所で読んだ本をきっかけに、人生をリセットし東京で憧れの芸人になる。
実際にどこまでが実話で、どこからが創作かはわかりませんが、兼近さんが貧しい幼少期を過ごしていたことは有名です。
描かれている違法デリヘルのドライバーのくだりも超絶にリアル。
結果これが警察のお世話になる事件を招いてしまうわけです。
また、全体を通じて貧困からくる劣等感や虚無感も見事に描かれており、読みながら苦しくなるシーンが幾度も訪れてきます。
主人公の石山のことがあまりにも不憫に思えてしまい抱きしめてやりたくなるんです。
私PATAの家庭環境も石山に負けず劣らず特殊で、貧乏・義理の父が893・母がアルコール依存症・ネグレクト・家庭内暴力などなど。
年の離れた弟が2人いたので、面倒を見るのに必死でグレる暇など全くなく、1秒でも早く大人になって家族の元を離れたいと思っていました。
全てのことに冷め、大人も同級生をも見下し、「誰も俺の苦しみなんてわからないんだ」と不貞腐れていたような気がします。
石山が出会ったピースの又吉さんの本をきっかけに芸人を志すわけですが、私PATAもツライ現実を唯一忘れさせてくれるものがお笑いだったのかもしれません。
そんな妙なシンパシーを感じる部分が多く、石山を幼き自分と重ねて応援していたように思います。
最近では1回の失敗で完膚なきまでに攻撃をするような風潮がありますが、過去の過ちや失敗を認めた人間をもう1度応援する社会が生まれてくれることを願うばかりです。
2023年1月現在、連日ニュースで取り上げられている『強盗事件』。
フィリピンの収容所から遠隔でSNSを駆使して、闇バイトの応募を管理統括していたと言われる犯人通称『ルフィ』との繋がりもこの『むき出し』の中で語られています。
どんな人でも叩けば埃の1つや2つ出てくることもあるでしょう。
その経験があったからこその『今』があることを考えさせられる作品です。
非常に面白いのでおすすめです。
ポンッポンッ!!
楽しい飲み会はこちらからどうぞ!!
銀色の青/哲夫(笑い飯)
リンク
お次は笑い飯のロン毛じゃないほうでお馴染み哲夫さんの『銀色の青』です。
哲夫さんは博学かつ多趣味な一面があり、仏教学や歴史、花火、農業などにも精通しています。
こちらの作品を読み始めるとすぐにわかります。
「あぁ!この人純文学好きな人だな!」と。
いわゆる、太宰治とかあの辺のウジウジ系ですね。
情景描写よりも、内面の心情や思考を文章表現しているタイプの小説になります。
クラスのヒエラルキーの中でも下位に属していそうな主人公清佐(きよすけ)。
何故か仲良くしてくれるイケメン親友の弥太郎。
クラスの大人びた女子、詩織と玲子。
野球部エースのベース。
いつだって明るく優しいお母さん。
主だった登場人物は上記の6人。
清佐が優しさ故に気を使ってしまったり、自分の見栄を張るために本音を隠してしまったり、とにかく清佐がウジウジしまくる物語です。
ベースに貸した100円を返して欲しいけど言いだしきれない清佐がとにかく苦悩しまくります。
挙句の果てに、ベースから押し付けられたミッションを遂行するも、優しさからくる気遣いを盛大に外してしまい、弥太郎や詩織や玲子との関係もギクシャクし始め、ドンドンと追い詰められていきます。
思春期特有の不器用さが可愛くもあり、反面残酷でもあるのです。
離婚して働くお母さんに心配をかけないように気遣う清佐。
そして名前に込められたお母さんの思いとは??
貸した100円は帰ってくるのか??
それは読んで確かめてみてください!!
言えることは、ベースがすんごい嫌なやつってこと!!
敗北からの芸人論/徳井健太(平成ノブシコブシ)
リンク
最後は平成ノブシコブシの徳井健太さんの『敗北からの芸人論』です。
最近では、腐り芸人や悟り芸人などと呼ばれて多くのバラエティで大活躍されています。
この『敗北からの芸人論』のような思いを吐露するYouTubeチャンネルも開設されています。
こちらの本は、様々な芸人を徳井さんの目線で切り取ったものを読者に伝える作品です。
相方の吉村さんへの思い
後輩ながら見る見る売れていった渡辺直美さん
総長加藤浩次さん(極楽とんぼ)の有難い金言
EXITの先を見据えた社会問題について
満身創痍で臨むゴッドタンへの思い
盟友5GAP秋本さんと呑んだ大五郎
興奮冷めやらぬいいともでの神々の競演
どこを切り取っても、具沢山のサンドウィッチのような満足感です。
TVでははかり知ることの出来ない性格やエピソードの数々が非常に生々しくも、芸人愛に満ち溢れた角度で紡がれています。
徳井さん曰く、絶望を知っている芸人のほうが面白いってところも「なるほどな!」と唸らされてしまいます。
あまりメジャーなエピソードではないような気もしますが、サラッと徳井さんのお母さんについても書かれておりビックリしてしまいます。
やはり、芸人としての絶望プラスアルファとしての絶望も持ち合わせているんだなと思わされます。
そして、それらも含めて『芸人』って素晴らしいよねと。
個人的には、お笑いに興味のない人にも読んで貰いたい作品です。
面白いのでぜひ!!
まとめ
まだまだ読みたい芸人本が多く出版されているので、引き続き読んでいきたいと思います。
本当に才能が溢れんばかりの世界。
この世で1番尊敬し憧れて、ちょっとだけ嫉妬する。
私PATAも芸人として本を出す側に回っているはずだったのにな…
まぁしょうがないですな。
目指すは、芸人評論家のラリー遠田さんかな。
いや、あの人の芸人愛も半端じゃないからな…
強敵過ぎるか…
それでは最後までお付き合いありがとうございました!!
コメント