1か月以上振りの更新になります『上司とPATAの終活記録』の第4弾です。
ひょんなことから、癌を患う上司の終活をサポートすることになった私PATA。
前回の記事更新以降様々な動きが起こり、新たなフェーズへと突入いたしました。
状況をまとめてご報告して参りたいと思います。
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それではご覧ください!
上司の状況…
2023年1月22日から緊急入院をしていた上司ですが、20日間の入院を経て無事に退院することができました。
前回の記事でも触れているとおり、入院直前の上司の様子は、本当にいつ何が起こってもおかしくないように見えていたのですが、抗癌剤が上手く効いているようで思いのほか元気にカムバックを果たした次第です。
実際には甲状腺未分化癌という、非常に稀でかつ凶悪な癌に侵されているので、完治を目指す治療は現在の医学では難しいのが現実です。
同じ甲状腺がんでも、乳頭がんや濾胞がんは進行がゆるやかで生存率も非常に高いですが、未分化がんはほかの臓器のあらゆるがんと比較しても非常に進行が早く、診断がついてから1年以上の生存は20%以下で大変危険な病気です。
病期(ステージ)で解説すると、乳頭がんや濾胞がんでは大きくI〜IVの4段階に分類されますが、未分化がんの場合はすべて進行が進んだ状態のIVとされます。そこから、がんの浸潤、リンパ節転移、そして遠隔転移の有無によってステージIVA, IVB, IVCの3つに分類されますが、やはりステージが進むほどがん死率が明らかに高くなります。ステージIVA, IVB, IVCの方の生存期間は、それぞれ16か月、6か月、3か月ととても厳しいです。引用:KUMA pedia 甲状腺未分化がん ー 病気の特徴 ーより一部抜粋
『レンビマ』と呼ばれている抗癌剤を月~金までの週に5日間服用し、土日はお休みといった具合のスケジュールです。
幸いなことに抗癌剤での副作用もなくいたって順調そのもの。
しかし、完治が無いと言うことは良くて現状維持、もしくは緩やかに進行が続く、最悪の場合は抗癌剤が効かなくなるということになってきます。
上司なりの体感としては、「痛みが右へ左へと移動をしており気道が2本あるような感覚がする!」とのことです。
これを担当医に伝えてはみるものの、特段調べる素振りも見せずに首を傾げたり、「そんなはずはない」、「気道は1本です」などとスーパー塩対応。
行くたびに続く鉄壁の塩対応に業を煮やし、遂に上司は我慢の限界を迎え、「あそこの病院はヤブ医者だからもう行きたくない!」と高らかに宣言…
気持ちはわかりますが、実際のところ上司自身も相当面倒なタチなのも事実。
医者も症例が少なくわからないことが多いのだろうと推察できるものの、いつどうなるかわからない不安な患者をつかまえて、あまりに配慮が無さすぎるのも事実。
内心、「どっちもどっちなんだよなー」などと気楽に考えていたのですが、ここへ来て急転直下『セカンドオピニオン』を検討する話へとなっていきます。
『セカンドオピニオン』として受診する予定の病院は、民間のクリニックになるため保険の適用はなく10割負担と医療費は強烈です。
場所については現在住む青森県八戸市にはないため、遠路はるばる『なんでやねんの国』へと行くことに決定。
医療機関ではないので処方箋を出すことができないらしく、抗癌剤が無くなるタイミングでこちらへ戻ってくるという流れです。
そして現在上司は『なんでやねんの国』へと行っております。
とりいそぎ、クリニックへと赴き今後のスケジュールを調整し一度こちらへ戻り、抗癌剤を処方してもらったのちに再度治療へ向かうといった流れです。
娘さんの状況…
お次は娘さんについてです。
上司が入院したすぐあとから、グループホームへと通所し始め現在も順調に日々を過ごしております。
就労継続支援B型というものに該当する娘さんは、平日の月~金曜日の週に5日間、9時~15時で軽作業を行っています。
就労継続支援B型とは、知的障害や身体障害、精神障害、難病などがあって一般企業への就職や雇用契約に基づく就労が難しい方に対して、働く場所を提供する福祉サービスです。事業所と雇用契約を結ばずに、自分が行った作業量に対しての工賃を貰いながら働きます。また、働くために必要な知識や能力を磨くための訓練も行い、実際の作業を通じて経験を積んでいきます。
引用:ekaigo with 就労継続支援B型とは?より一部抜粋
ちなみに就労継続支援には『A型』と『B型』の2種類がありそれぞれに違いがあります。
就労継続支援にはA型とB型がありますが、両者の違いは事業所と雇用契約を結ぶかどうかです。就労継続支援A型は雇用契約に基づき働くため、社会保障が適用され最低賃金以上の給料が支払われます。一方B型は雇用契約を結ばないため社会保障は対象外となり、「工賃」という形で給料が支払われます。年齢制限についても、A型は原則18~65歳であるのに対しB型は定めがないという違いがあります。
就労継続支援B型はA型と比べて給料が少ないことが多いですが、週1日や1日1時間など短時間から無理のない範囲で比較的簡単な作業を行えるというメリットがあります。そのため、自分の体調に不安がある人や働く自信がない人でも安心して利用できます。なお、B型事業所で就労訓練を受けて、A型に移行したり一般就労を目指したりする方もいます。
引用:ekaigo with 就労継続支援B型とは?より一部抜粋
『A型』と『B型』では上記のような差があり、更に言うと同じ『B型』として働く利用者の方をとってもそれぞれに程度が異なるため、仕事としてのパフォーマンスが変わってくる状況です。
娘さんのレベルで言うと、『A型』だと若干難しいけど『B型』ならわりとできるほうにあたると言えそうです。
昨年末までは一般の会社に17年間勤めていたこともあり、簡単なルーティーン作業であれば問題なくできるのですが、『独り言』、『注意散漫』、『社会性・協調性』などの難しい部分もあり今回の上司の終活に伴って退社をする運びとなりました。
そして上司亡き後の具体的な今後の展開としては、下記のように決定いたしました。
- 現在居住する家を改装しグループホームにする。
- 入居者を数名抱えて家賃をもらい、娘さんの収入源とする。
- 現在通うグループホームの管理として上記を行う。
- 現在居住する住居の敷地内に娘さんの家を建設する。
- 合わせてグループホームの管轄として面倒を見てもらう。
- 金銭の管理はグループホームとは別の法人に依頼する。
- 住居等の不動産の管理は現在娘さんの家の建設を依頼している不動産会社へ依頼する。
といった具合に、おおよそのところまでの道筋は見えてきた形です。
更に何十年先の娘さん亡き後の話しとしては、不動産及び娘さんの財産はグループホームへと寄贈する流れです。
上司と共に私PATAも関係各位と顔合わせをしつつ、上記のような話を詰めて行っているような状況です。
上司亡き後に控えているミッションがあまりに大き過ぎて、できるのかできないのか?どんな問題が起こり得るのか?などと不安は尽きないわけではありますが、とりあえずのゴール地点はそんな感じです。
まとめ
ここ数か月で様々なことを考えました。
『生と死』についてや『家族』や『結婚』なんかのことも色々と思うところはありましたが、特に強く思ったのは娘さんを見ていて感じる『難しさ』です。
娘さんは、喋れるし読めるし書けるし、簡単な炊事・洗濯・掃除、買い物など一通りのことは大抵できるんです。
が、金銭感覚や管理、状況把握、社会性、合理性などは全くといって理解できません。
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傍から見ると、「〇〇ちゃんなら大丈夫よ!なんでも1人でできるじゃない!」と見えてしまうんですが、あくまで保護者がいてこその話しになると言わざるを得ません。
御幣を恐れずに言うと、『人の手を借りないと生きていけない』状況であれば、やりようはいくらでもあるような気がする反面、できる範囲が多いからこその弊害もあるんだなと強く感じています。
管理されて生きていくということは、娘さんのやりたいようにやれないこと『=彼女にとっての不満やストレス』になり得るわけですね。
上司が甘やかした代償と言えばそれまでの話しではありますが…
考えても答えは出ませんし、私PATAとしては与えられたミッションを部下として遂行するのみなわけで。
世の中にこんな感じの悩みを抱えている人は星の数ほどいらっしゃるんでしょうね…
人生って難しいですね。(←壮大)
というわけで、最後までお付き合いありがとうございました!!
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