皆さんは『お笑い』は好きですか??
私PATAは幼き頃から37歳の現在にいたるまで、ずーっと飽きることなく大好きなものであります。
そして何を隠そううっかり芸人に憧れてしまい、養成所なるところに通っていたことがあるのです。
そんな芸人に憧れる未来のスーパースターに少しだけ内容を紹介して参りたいと思います。
それでは行ってみよー!!
NSC学院!!
今から17年前の話しになるので、現在と内容が異なる点があるかとは思いますがご容赦くださいませ。
資料請求
今ほどネットが充実していた時代ではなかったので、まずは104へ電話しNSCの連絡先を調べるところからのスタートでした。
びっくりするほどの気怠そうな女性に資料請求の旨を伝えて、資料を手に入れたわけです。
面接
願書を送ると案内が届き次のステップへと移ります。
指定された日に合わせて履歴書を準備してNSCへと向かい、5人まとめての集団面接に参加する運びとなりました。
この際に簡単な自己紹介と自己PRが出来るのですが、当時の私PATAは、お恥ずかしながらよくあるトンガリモード炸裂のツンツンのビンビンでございました。
「何か一発爪痕を!!」と痛さ爆発で、出来もしない一発ギャグを披露し、見事にツルンツルンに滑り散らかしてしまい、時空の歪みを初体験することになります。
負け惜しみではありませんが、あそこの場でウケる人は恐らく0に近いかと思われます。
当時はお笑いブーム全盛期で同期だけで500人以上はいたと記憶しています。
そんな中での面接時の一発ギャグなんて、面接官からすると『クソくらえ!!』以外の何物でもありません。
「もういいって…お前なんてどうせ売れないし…」って心の声がダダ洩れしているのです。
更に言えば、普通にしていれば面接で落とされるようなことはまず有り得ないとのことなので、よっぽどの鉄板ギャグを持っている人ではない限りやらなくてもいいかと思います。
入学式
そして数日後には、晴れて合格通知が届き、入学金・授業料を支払うわけであります。
当時の金額は400,000円でした。(2022年4月現在では500,000円です)
お次はいよいよ新宿にあるルミネ the よしもとでの入学式であります。
地下鉄大江戸線の予想以上の深さに危うく遅刻しそうになりつつも無事に参加です。
誰が何を話していたか、記憶があまりないのですが唯一印象に残っているのが、
今年の入学生は500人以上います。
クラスの中の人気者ばかりが500人以上います。
毎年売れる芸人になれるのはその中の1人か2人です。
9割以上が辞めていきます。
頑張ってください。
どうですかこれ。
衝撃的な一言ですよね。
一切商業的なおべんちゃらは使わず、ガッチガチのリアルがここには凝縮されています。
もう少し気を使えよと思わなくもないですが、実際にはこれが真実だということを、のちのち突き付けられていくわけです。
授業
こうしていよいよ授業を受けることになるのですが、昨今の芸人の活躍を見ればわかるように、お笑いに特化した人よりもタレントとして万能型の人のほうが需要が高いのがわかるかと思います。
よく言われる五角形のチャートが万遍なく大きいに越したことはないわけですね。
少々脱線してしまいますがちなみに私PATAが通っていた当時は、品川駅の少し先にある『西大井』という場所にNSCがありました。
西大井駅を降りてすぐにあるファミリーマートやマクドナルドはNSCの生徒全員出禁になっており、見付かると即刻『クビ!』を宣告される恐怖のルールも…
また近くの公園でのネタ合わせなども禁止されていました。
芸人は『声が大きい』、『たむろする』、『ネタ合わせが喧嘩しているように見える』などの理由から警察に通報されるケースが非常に多かったためのようです。
西大井にあったパチンコ屋さん『アムディ』懐かしいな…
そんなNSCも現在は『神保町』に場所が変わっています。
本筋へと戻ります!
やはり授業も総合力を鍛えるために様々な内容があり、
- ネタ見せ
- 大喜利
- 集団コント
- ダンス
- 演技
- 発声
このようなラインナップとなっていました。
各授業ごとにその道のプロフェッショナル陣が講師をつとめてくださり、レベルの高い授業を受けることができます。
不定期ではあったものの、中田カウス師匠、月亭方正さん、木村祐一さん、エンタの神様をヒットさせた五味一男さん、シンガーソングライターの楠瀬誠志郎さんなど様々な大物のかたも講師として来てくれていました。
ここで月亭方正さんがおっしゃられていた記憶に残るお言葉を紹介します。
君たちは普段電車に乗るときに空いていた場合どこに座りますか?
人と同じことをしたくないから真ん中に座るだとか、俺は空いていても座らないだとか、端から二つ目に座るだとか、そんなことを言うかもしれませんね。
でも今から君たちが笑わせようと思っているお客さんは、一般的な普通の感覚を持った端っこに座るようなお客さんがほとんどです。
バナナの皮が落ちていたら避けたり、奇をてらったことをするのではなくて、ベタに踏んで転ぶ。
この感覚がとても重要だと思います。
当時のトンガリボーヤ的には物凄く「なるほどな~」と思える有難いお話でした。
それと同時に「芸風と全然違くね??」とも思ったとか思ってないとか…
授業内容
授業が始まる前にネタ見せ希望者はエントリー用紙に名前を書き込み、授業の時間内に見られるだけ見てもらえるシステムでした。
人数が多かったので、積極的にネタ見せをしていかなければいつまでたってもネタ見せをする場面は訪れません。
これが名刺代わりとなり、声をかけたりかけられたりして相方を探す旅に出たりもするわけです。
講師のかたはTVやライブなどの作家が多く、具体的なダメ出しをしかっりしてくれます。
授業によっては生徒からのダメ出しを聞いたりする場合もあり、とてもスリリングだけど実践的な場だといえるでしょう。
木村祐一さんの初回の授業では1分間の面白自己紹介をやりました。
頭の中で何度もネタを考えいざ披露するも、緊張のため声は出ないは膝は震えるわスベりまくるわの燦々たる結果。
そんな中、クラスは違ったため実際に見たわけではありませんが、のちに一世を風靡したエドはるみさんが木村祐一さんに「100点満点や!!おもろい!!」と言われていたようです。
ダンスの授業ではガッツリダンスとギャグダンスの二種類があり、非常にきつかったのを憶えています。
「こんなことをしても意味がない!無駄だから行かない!」などそれっぽいことを言って、挙句の果てには徐々にサボるようになる始末。
ちなみにギャグダンスの講師は頭に象のじょうろでお馴染みのラッキー池田さんです。
自慢にもなりませんがラッキー池田さんに一度だけ「君の眼は死んでいる!!」と北斗の拳のケンシロウばりに決め台詞を頂戴したことがありました。
演技の授業では、エチュードと呼ばれる即興芝居をさせられていました。
講師から「君と君!」と突然当てられ、簡単な設定だけを言われいきなりよーいどんです。
他には喜怒哀楽のテーマの絵を自分で描き、それをみながら演技をする。
50人ぐらいの大人が絵を見ながら泣いたり笑ったりを繰り返すさまは異様な光景だったと思います。
とても大事だけれども、やるまではピンと来ない授業が発声の授業です。
声が通る人やもともと声が大きい人などまちまちではありますが、芸人は例外なくめちゃくちゃ声がでかいです。
実際にNSCに通い始めて少し経つと友人から「PATAの声があきらかにでかくなった!!」と言われてびっくりした記憶があります。
実際にやる内容としては、滑舌をよくする早口言葉や腹式呼吸での発声や体幹を鍛える筋トレなどなど。
そして、この授業の際に行われる更に強烈なこと。
ずばり『口臭チェック』です!!
声を張り上げる我々NSC生の口元にスタッフの1期上の先輩方が鼻を近付けていき、少しでも臭おうものなら、「お前口くせぇよ!!!」と激しく怒鳴られてしまう仕様です。
これが連続してしまった生徒などはみんなの前で「お前はまた口がくせぇのかよ!!胃が腐ってるから胃から洗ってこい!!」と非常に恥ずかしいお叱りをうけてしまいます。
嗅ぐほうもなかなかの苦行ではありますが、嗅がれるほうもなかなかの恐怖があるわけですね。
といった具合で、おおまかな授業内容としてはこんな感じだったと思います。
4月に入学し夏頃になると、AチームBチームのような優秀な選抜チームが編成され授業が若干変わっていったりもします。
全ての授業に選抜チームが作られ、選抜チームのきらびやかな背中がどんどん遠くなりはじめて、フェードアウトする生徒が続出し始めるのもこのあたりでしょう。
スタッフ
NSCには前年度の選抜チームから芸歴1年目の先輩がスタッフとして働いておられます。
今考えると相当なメジャー級ばかりだったのでここで紹介します。
- オリエンタルラジオ
- フルーツポンチ
- あかつさん(相撲芸人)
- GO皆川さん
- はんにゃ
オリエンタルラジオは武勇伝バブルにより一瞬で売れて行ってしまったので、最初の頃のみになってしまいましたが、他の方はずっと来てくれていたわけです。
フルーツポンチの亘さんが当時はめちゃくちゃ怖くて、よく同期で悪口を言っていました。
あかつさんも怖かったな…
同期の芸人
最後に同期の芸人を紹介したいと思います。
まずはエドはるみさんですね。
光の速さで売れていきましたね。
今では通販番組で頑張っているようです。
集団コントの授業で何度か同じチームでコントをやりました。
印象的なのは公園でのネタ合わせを断固拒否していたことと、駅のホームで「PATAくん最近学校サボってるでしょ?来ないとだめよ!」と声をかけてくれたこと。
応援しています!!
お次はシソンヌです。
長谷川さんとはほとんど話したことはないのですが、じろうさんとはこれまた集団コントで仲良くなり、一緒にスロットを売ったり、飯を食べたり、ネタをしてみたりと数少ない付き合いの濃さをほこります。
じろうさんは当時ピンでネタ見せをしており非常に面白く目立った存在でしたが、なぜか仲良くしてくれて、シティボーイズのライブDVDやモンティパイソンのDVDを貸してくれたりと、マニアックなお笑い談義なんかもよくしていたわけです。
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キングオブコントで優勝した時は最高に嬉しかった。
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前日にがんばれメール、優勝後にはおめでとうメールを送っていますが、いまだに返信は来ておりません!!
悲しいけど、応援しています!!
他には、チョコレートプラネットの松尾さんも集団コントで一緒にやりましたが、ほとんど接点はないレベルです。
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でも、応援しています!!
その他接点があった同期で言えば、たかくら引越センター、上原チョーさん、細野哲平さん、ぽんぽこの副島さんあたりでしょうか。
ちなみに、ぽんぽこ副島さんは相方の『高木ひとみ〇(タカギヒトミマル)さん』のほうが知名度的には高いですねww
『インッ!!』と叫ぶ甲高い声やチャイルドプレイのチャッキーを彷彿とさせる強烈なキャラクターに押されている感じ。
そして、あの地声からは想像もつかないハイパー美声で歌う歌唱力。
そして、ダメ押しで付き合っているっていうwww
陰ながら皆さんの活躍を期待し、応援しています!!
いまだに続けていて活躍しているなんて考えられませんね。
本当にすごい世界です。
※追記※
同期の中でもスタートダッシュを決めて活躍していた、タカダ・コーポレーションの『おやきくん』が2023年9月20日に宮城県警に詐欺の疑いで逮捕されてしまいました。
高齢者から銀行のキャッシュカードを騙し取ろうとしたとのことです。
※更に追記※
2023年10月11日に『おやきくん不起訴』の報が飛び込んで参りました!
現在SNSを中心に不起訴になった事実を拡散しているようです。
相変わらずの逞しさですwww
まとめ!!
といったわけで流れをザーッと追ってきたわけですが、実際のところ私PATAはNSCフェードアウト組のハイパー劣等生であったりします。
今更かよ!!な発言ごめんなさい。
ですが、途中で相方を紹介してもらいヌルっとカムバックしてみたり、こそこそと芸人もどきみたいなことはしていたわけです。
ちなみにNSC卒業後はもっと過酷な日々が待ち受けております。
今日から俺はじゃないですが、「俺は芸人だ!!」と言えば芸人ではありますが、その実態はバイトに精を出すフリーターのようなものです。
月に1度1分のネタを披露し30組の中でお客さん投票1位を取らなければ上のランクのライブに上がっていけないみたいな状況になります。
手売りノルマチケットを買い友達を呼んでみたり、バイト先の仲間を呼んでみたり、そんな先の見えない下積みが続くのです。
それでも、舞台に上がる前の緊張感や高揚感、ウケたときの気持ちよさ、スベッたときの絶望感、ひっくるめてすべてが楽しいと思えるのも事実です。
やらない後悔をするよりもやってする失敗のほうが、とても魅力的だと思います。
仮に辞めた後もこのようなネタになり、会社で面白がられたりもするわけです。
興味があったりどんな世界かなと思っている人の参考になれば嬉しいです。
参考ついでにもう一つ。
『ろくでなしブルース』や『ROOKIES』でお馴染みの漫画家森田まさのりさんが描かれている『べしゃり暮らし』もNSCをモデルに相当リアルな実態が描かれているのでおススメです。
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それでは最後までお付き合いいただきありがとうございました!!
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